中国、上海近郊の街で迎える4日目の朝。自分は今日で帰国になる。帰りは虹橋13:05のJALを予約しており、それに間に合うように、と言う事で9時にホテル出発の車を手配している。本当はホテル手配のタクシーなんかには乗らずに、公共交通機関で何とか空港まで行ってみたかったのだが、空港への直通バスは無いみたいで、上海市内のバスターミナルを経由して空港、となると7時ぐらいにはホテルを出なくてはならなそうで、結局2時間のゆとりをお金で買う選択をした事になる。
 その2時間。ちょっと朝を迎える街を歩いてみようと思う。4日滞在しているが、いつも夜しか歩いていないし。
 
 ホテルのすぐ近く。川が流れている。まもなく7時。空が明るくなり始めている。しっかり赤く染まっているのが中国の鈍い空ばかり見ている身には新鮮。
 少し街を歩く。
 
 街の中にも川、というよりは運河なのかもしれない、が張り巡らされている。この辺り、長江の河港があるそうで、水運は発達していたようだ。これで水がきれいなら素敵なのだろうが。
 昨晩歩いた見知った所に出たのでホテルに戻る。朝の街、粥か何かの店が繁盛している。ホテルと客先の行き来では分からないような素顔を街を見る。
 
 ホテルの前を路線バスが走って行く。この街、鉄道は来ていないそうで、街中の移動はバス。上海に行くのもバスが頼りだそうだ。市の外れに長距離バスのターミナルがあって、上海に行くにはそこからバスとなる様子。
 
 太陽がちょうど顔を出した。綺麗な太陽を見るのは本当に久しぶりだ。
 30分程でホテルに戻る。軽く荷造り。それを済ませると朝食に行く。
 
 オーダーベースの麺があってこれは毎日食べた。麺の種類も選べるので4日食べても飽きない。後は中華粥。これも毎日。
 
 これは初めて手を出してみた。巻き寿司のつもりかもしれないけど、明らかに別の物。
 ゆっくりと食事を頂き8時半。部屋に戻って最後の身支度をすると9時前にチェックアウトする。支払いは昨日のうちに済ませているので、カギを返すだけで済む。タクシーは?と聞くと9時だよ、と。確かに10分程早い。ロビーで待つ。
 何人か運転手がいて髪を片手に予約客が来るのを待っているのだが、自分の名前は無い。9時を過ぎてそろそろじゃない?と言う頃になっても車は来ない。フロントに掛け合って調べて貰って、結局車に乗れたのは9時10分過ぎ。
 来た車、行きは普通のタクシーだったが、今回は普通の自家用車みたい。メーターもない。運賃はすでにホテルに払っているが、来るときはタクシー、メーターを回していた。
 
 市内、来る時とは違う道を走って行く。30分近く走って高速道路に乗る。この時点で9:40。渋滞すると結構かかると聞いているが、どうなるか。
 来る時よりはおとなしい走りで高速道を飛ばししてゆく。フロントガラスの方には鈍く霞がかかる空。背景の空は青い。空気の汚れた上海へと順調に歩みを進める。
 途中、一か所渋滞になる。でもどうやら空港の近く。真上を飛行機が飛んでゆく。時刻は10時30分。余程の事がなければ飛行機には楽勝で間に合うようだ。
 
 その渋滞も抜けて、虹橋空港、国際線の発着するT1に着いたのは10:40過ぎ。フロントに支払い済みなのに600元出せとか言われて揉めたが最後は解決する。
 
 近距離国際線の一部しか発着の無い虹橋の第一ターミナル。賑わっていはいるが絶対数は多くは無く、チェックインもスムーズ。今日は高い運賃なのでアップグレードをやろうと思えばできる事を思い出しお願いしてみる。が、満席とのこと、アップグレードならず。最初措定した通りの前方窓側の座席で搭乗券が出てくる。
 保安検査を受けて早々に出国してしまう。出国も空いていて、これなら1時間前に着いても十分だったかも知れない。
 
 何か地方空港みたいな虹橋の搭乗待合室。JL082の出発2時間前だが、まだ誰もいない。
 今日はラウンジが使えるのでそちらに行く。虹橋にはJAL専用のラウンジは無く、各社共用のラウンジ、招待券を頂いている。そのラウンジ。
 
 びっくりするほど混んでいる。座るところを探すのにも苦労。ようやく相席で一席確保する。幸いすぐそばに電源がある席だったけど、電源席は限られるようで、旧来のラウンジという感じ。
 
 青島を一本頂きつつ搭乗開始の案内を待つ。ラウンジ内、日本人が多い。13:55にはNHの羽田行きもあるので日本人の集中する時間帯には違いない。
 今日は台北かどこかに飛ぶ便が遅れているようで、そのお客さんもあっての混雑している。お客さんが係員に案内されて来て、席を整理して座らされている。そのうち、入場を断られる人も出てくる。ラウンジの招待券はレストランでの金券としても使えるようだから、そちらの方が快適かも知れない。