■

　滞在二日目の朝が来る。今日も客先へ行く。昨日より気持ち早い目に朝食へ。昨日より少し多めに食べとく。昨日はお昼前に空腹を感じたので。
　今日も7時半に待ち合わせ。少し人が増えていてその中に知った顔がいる。以前、出向先で一緒に仕事をしていた他社の人。お互い自社に戻った後、中国で顔を合わせる事になるとは思っていなかった。世の中、広いようで実に狭い。
　バスに揺られて客先に行く。鈍い灰色の中に明るい丸があって、それが太陽だった。今日は実は晴れていたのかと初めて気づく。
　仕事。今日は立会。いろいろと問題が起きていて立会が一週間伸びているのだが、昨日の会議で条件付きではあるものの受け取って貰う方向で話がまとまっている。その方向づけを確認する場が今日となる。　
　客先の偉い人相手に今の問題点と解決する方向性を説明する。質問はいろいろ出て受け答え。一応は昨日の会議で決まった方向性通りになる。それが終わると夕方。何も体は動かしていないのにどっと疲れが出る。
　今日は夕方のバスで一緒に戻る。ホテルに着くと18時半。食事はたまには中華料理に行こうとなる。19時待ち合わせで街に出る。
　連れて行って貰った先はホテルから10分程歩いた街中にある中華料理屋。2か月滞在していると人づてに色々と店を紹介されるようで、一人だったら絶対に歩いてこないような道の先だった。
　
　ビールを頼む。青島は扱ってなくて雪花という銘柄が出て来た。上海周辺で作っている地場のビールらしい。やはり色は薄目。味も薄目。
　メニューを見て適当に食べたい物を選ぶ。日本語は勿論、英語も通じにくいが、さすがに二か月滞在している先輩たちは片言でも北京語を話してやり取り。
　
　コーンスープを頼んでみたら大皿で来る。ちょっと、というかかなり甘いので日本の感覚で頼むとちょっと違う感じ。
　
　中華圏では安定の空芯菜。こいつは食べたらまずかった、って事は記憶にない。ここの店の空芯菜も美味しく頂く。
　
　スペアリブがこの店の売りみたいでそれを頂く。
　そのほか水餃子やらに何やらを頂いて5人で200元少々だったか。日本円にすると一人当たり1000円以下だから安いっちゃ安いが、こちらの人の平均月収を知らないので、浮ついた話かもしれない。
　食事の後はカフェに行くというので付いて行く。どうやら旧市街というべきエリアらしく、
　
　車の往来も少ない落ち着いた街になった。あんまり中国という感じがしてこない。近くには観光名所もあるようで、観光客を意識した小洒落た街に整備しているのだとか。
　
　街の中にカフェが何軒もあってその中の一軒に入る。アメリカンコーヒーは18元だから360円程。日本並みかそれ以上の値段だ。因みにお昼のお弁当は10元だから、その値段が参考になる。
　高いからか、雰囲気は落ち着いている。明日の仕事の相談と今日、日本に流すメールの文章を練っておく。21時半が閉店時間。そこまで粘ってホテルに戻る。
　
ホテルへ戻る道。水っぽい景色が広がる。夜見ると非常にきれいな景色だったのだが、水は汚いよ、というのが滞在二か月、先輩の弁。
　ホテルに戻って先程の文章を日本に投げる。時計を見ると22:30。日本は23:30、か。