夏休みはあと二日ある。月曜火曜と妻は仕事であり、自分一人家にいるのもどうかと思う。
 とはいえやる事は公私ともあって、公でいうと昇格論文の査読。私の方は溜まった恥辱を綴る事。読むことと書くこと。両方ある。
 家にいてもどうも集中できず、冷房の無駄遣いになりそうだ。そこで外で少しやろうかと考える。昨日の大回り、までは行かないが、ちょっと考えてもう少し投資し、横浜市交通局の一日乗車券を買い求める事にした。
 
 まずは適当に関内までバス。近所から79系統に乗る。このバスは混んでいたのでPCは拡げられない。まぁ先は長いのでよしとする。
 関内で乗換。磯子方面に行きたいのだが、113系統では来た道を戻るので58系統辺りを志す。バス停がバラバラとあるのでどこに立とうか迷う所。
 
 106系統やら105系統やら、本牧に行くバスは混んでいたので見送る。
 
 結局、99系統というのが来たので乗り込む。馴染みの無い系統で1時間に2本程度。20分近く待ってしまった。
 後ろの席に座り、PCを拡げる。心持ちか出先の方が集中できるように思える。バスに揺られる事30分少々。根岸駅を通り越し、磯子駅前まで。バスは車庫まで行くけどここで降りる。
 磯子からは何となくだが、9系統に乗ってみたい。9系統は磯子から岡村、井土ヶ谷を経由し、保土ヶ谷方面へと向かうバス。朝、113系統で磯子まで行くと、ちょうど藤棚ゆきというバスに出会うのが気になっている。
 9系統、昼間は1時間ごとの運転だった。次は13時まで待つ。30分程間があるので、昼飯でも食べてゆく。
 
 駅横の蕎麦屋でランチのセット。夜は居酒屋的なメニューが増えるらしい。サッポロビールを扱っているのをチェックしたが、磯子でのバス待ちで使う機会、あるのかなぁと思わなくはない。 
 バスの時間までしばらくPCを拡げて恥辱の続き。頃合いを見計らってバス停に戻る。
 
しばらく待ってやって来たのは保土ヶ谷駅ゆきの9系統。9系統、磯子-保土ヶ谷と滝頭-横浜駅が主だった運転区間のようで、磯子から藤棚まで行くのはラッシュ時のみ。そして横浜駅まで直通するバスは無いようだ。バスは空いていたが、後ろの席に陣取る。
 バスは数人程度の乗車。110系統や113系統でおなじみの国道16号線八幡橋から吉野町の方へ。途中、滝頭から左にそれて岡村の山の中へと入って行く。岡村というのは京急根岸線の間にある丘陵地帯で、自宅からもそれらしいエリアは見えるのだけど馴染みの無い所。アップダウンの激しく狭い道をどんどん突っ込んでゆく、とてもとても楽しい路線である。 途中バスのお客さんはどんどん増える。自転車や歩きで駅に出るには辛そうな立地であり、バスの需要が大きそうな所だ。
 気が付いたら鎌倉街道弘明寺に出て、井土ヶ谷の駅前へ。この先も馴染みのないエリア。ただ井土ヶ谷から保土ヶ谷は案外と近い。変化に飛んだ小一時間は短かった。
 保土ヶ谷のささやかなバスターミナルは神奈中に相鉄のバスが目立つ。市営バスだけしか乗れない一日乗車券は案外と使い勝手が悪い。来た道を引き返しても仕方ないので、32系統あたりで関内にいこうかと思っていたら先に106系統が来た。
 
 本牧車庫ゆき。行ったところでその後のプランが無いが、まぁ良いか。乗ってしまう。
 保土ヶ谷本牧というのは鉄道だけ考えていても結びつかないのだが、国道1号高島町まで行って右折するとそこは桜木町。そんなに遠くは無い。鉄道だと行きづらい所を結ぶバス向けの路線なのかも知れない。案外と混んでいて途中からはPCを拡げるのもやめておく。
 本牧まで行った後のプランが全く思いつかず、その前に桜木町なら?あちこちにバス路線が伸びているなと思い至ってバスを降りる。
 桜木町は市営バスの一大拠点。どこに行くことも出来るが、バス乗場の数が多すぎて、どこに行く路線がいつ出るのかさっぱり把握できない。さてどうしたものか。結局出発直前だった21系統を捕まえた。直前過ぎて写真がない。
 21系統は市電保存館ゆき。結局は滝頭であり、狭いエリアを二周目に突撃したようなものである。山元町から米軍の根岸住宅の近くを通るので先程乗った99系統とはルートはだいぶ異なる。駅から遠くてアップダウンの激しい所を行くのでそれなりにバスは利用されていて、結局はPCを拡げられなくなった。目的とだいぶ違ってきたような気がするが、まぁ仕方ない。
 根岸台から海の方へと降りてくると空席が目立つようになる。本日二度目の根岸駅に寄り道をすると、八幡橋から16号線の裏道を通って市電保存館の真ん前まで。
 
 ここで降りる。市電保存館、折角だから寄ってみても良いけど国道16号に出て滝頭のバス停。来たバスに乗ってしまおうと思っていたら102系統が来た。
 102系統は横浜駅東口行き。先程から全く無計画。そして無計画にバスに乗ったら突然の腹痛に襲われる。やれやれだが、
 
 阪東橋で下車。駅のお手洗いに駆け込んだ。改札に入ってしまったので、これまたどうしようの状態だが、関内や桜木町では三週目に突入しそうだ。何となく上大岡に出る。
 上大岡という所はバスの結節点だが、市営バスの路線は少ない。洋光台や港南台に向かう路線に乗るか、自宅方面だと2系統だが、この路線は1時間毎。133系統で根岸に行くという選択肢もある。
 結局辺りを一周してきたらちょうど133系統が出発するところだったので乗ってしまう。この路線、岡村、滝頭を経て根岸に出る路線で、先程と同じようなところを進む事になる。まぁいいや。
 鉄道の不便な街へ向かうバスらしくほぼ満席のお客さんを載せて、バスは狭い道路に突撃。老若男女問わず乗り降りを繰り返す。敬老パス利用者専用という訳でもない様子。
 数時間前に眺めたばかりの街を通り、先程バスを乗り換えた市電保存館の脇を抜けて堀割川を渡ると根岸の知らない辺りを抜けてバスは駅前へ。根岸駅も、今日は三回目か。
 もう夕方というべき時間帯。58系統のバス待ち行列が伸びている。少し遅れているようだ。その列に並ぶと間もなく
 
 横浜駅行きのバスがやって来た。本牧あたりにゆくお客さんが次々乗り込む。本牧もバスに頼る街である。出発。昼間に乗った99系統と似たような所を行く感じだが、こちらはみなと赤十字病院に寄ってから元町中華街の駅へ。ちょっと海寄りを走っているようだ。日本大通りの駅が現れてここで降りてみる。もう日が暮れ始めている。そろそろ家に戻ろうかと考える。
 順当にいけば113系統辺りを狙う場所だが、この時間、79系統が日本大通り発であった。タイミングが良すぎて写真を撮らずに乗車。地下鉄と同じルートを進んで井土ヶ谷から永田の方に向かうバス。ただ小回りが利くのが利点である。2系統とか、11系統とか、地下鉄だと行きづらい所に行くバスの存在は便利である。もう少し本数が多いともっと便利なんだけど。
 帰宅して夕食の準備を少々。結局査読は出来てないなぁ。明日は籠ってでもやるか。