CX543 B-HOP B747-400 HND→HKG


 CX543を送り出す108番搭乗口にはエコノミークラスの大行列が出来ている。そして待っているのはB747-400JALで全廃、ANAも退役間近の大量輸送機。キャセイでも数を‪減らしているようだが、需要旺盛な羽田線にはこの大きな機材が活躍している。
 今日は二階席に座る。乗ってみると旧来のヘリンボーンタイプだ。ちょっと狭いが横になれるのはありがたい。今日は寝てしまうに違いない。

 ウェルカムドリンクを頂く。ついついシャンペンを。
 機内、ビジネスのお客さんが‎一人、もう一人と乗ってくる。2階のシート、8割ぐらい埋まっただろうが。自分の所に乗務員がやってきてリクライニングが壊れているから移ってくれと仰る。一つ後ろに居を構えなおす。特に大きな違いはない。改めて冷たいシートを心地よく感じたぐらいの違いだ。
 今度はおしぼりが配られる。その間に案内がある。英語、広東語の順番。最後に日本語の案内も。香港までの所要時間、4時間46分とのこと。10:48、Pushbuck。10:55、Taixing。JL29は定刻より若干早くPushbuckを始めていた。少々遅れたなと思う。
 冬の間だが、今日は南風らしく、RWy16からの出発となっている。滑走路端で少々待たされたあと、11:04、Takeoff RWy16R。浮いた途端に巨体が右に左に揺さぶられる。随分と激しい離陸だ。

 東京湾上をぐるっと回って進路を西へ。ポンとべるが鳴ったので外を見ると

 横浜が見えていた。東京湾には白波が立っている。揺れはだいぶ落ち着いていたが、ベルト着用サインはなかなか消えない。

 江の島が見えてきたのち、11:13、ようやくベルト着用サインが消灯する。機内、自分からの限られた視線で見える‎‎範囲、脚を投げ出し寛ぐ人がちらほら。思いっ切り顔を反対側に向けると遠くに小さく窓。上へと窄まるB747の2階席。ヘリンボーンの座席配置だと窓が遠くて外がわかり辛い。手を伸ばして写真を撮ると辛うじて撮る事が出来るが、

 雲が出てきたようだ。
 ひとまずPCを取り出し、電源を生かして恥辱を進めておく。間もなくドリンクサービス。ビジネスクラスだと必ず「MrXXXXXXX」と名前で呼ばれてからサービスが始まる。

 シャンペンを頂戴した。おつまみは選択の余地なくおかき。

 テーブルのスペースを作ってPCを置いて、シャンペンを飲みつつ恥辱を進めておく。平日分の滞貨はすぐに終わり、昨晩の移動分に取り掛かったところで、次のワゴンがやってくる。
 今度は前菜を。5時間のフライトなので簡易版ではなく、しっかりとした食事になる。




 サーモンとチーズロールのピクルス添え。サラダとお蕎麦。パンはガーリックトーストをお願いした。まだ12時前。昼食には少々早くこれで十分お腹が一杯になりそうだが、あくまで前菜である。続いてメインがやってくる。

 メインは三択。牛のテンダーロインのグリルを選ぶ。残りは中華風海老の炒め物か豚の生姜焼き。和風洋風中華風と選べる配慮がなされている。

 飲み物は赤ワインに変える。何種類かあって言ってくれるのだが、何とか聞き取れた「フレンチ」という単語を頼りに選択。ちょっとだけ注いだグラスを渡される。ティスティングだ。気に入ったのでお願いすると今度はなみなみと注がれる。
 肉の塊とポテト、ニンジン。相当に腹が膨れるが、キャセイビジネスクラス。サービスはまだまだ続く。そして、この先がキャセイに乗る時の楽しみであったりもする。 

 デザート。チーズとフルーツの二択でチーズをお願いするとこんな感じに。必ずフルーツも付くんですけどね。チーズをデザートにという感覚。日本人にはない部分で、英国領香港由来の航空会社ならではのサービス何だろうなぁと思うところ。チーズをデザートなんて贅沢を覚えてしまうと、日常の支出が大きく膨らみそうでお宜しくないのだが、今日の所は楽しむ。因みに飲み物はポートワインに切り替える。これもJLには無い文化。
 そして最後はアイスクリーム。ワゴンに入れられ恭しく出てくるのはハーゲンダッツ機内食のアイスでありがちな溶けかけやカチカチでなく、絶妙な感じで出てきたのは立派。

 機内食のサービスが始まってから1時間少々。時刻は12:45になっている。飛行機は日本列島、四国の沖合から九州を伺う辺りに来ている。偏西風がそれなりに強いようで、思ったよりも遅い。
 しばらくPCで恥辱を進めていたが、少々眠気を感じる。昨日はあまり眠れていないし、少し横になる。ヘリンボーンの座席を完全に横にして身を横たえる。とたんに眠りに落ちた。
 ふいに目を覚める。時刻は14時半。1時間半ぐらい寝ていたようだ。まだまだ寝れそうだが起き上がることにする。

 外は相変わらずの雲海。台湾の先まで来ているらしい。だいぶ香港まで近づいて来たが、偏西風、150km/hのビハインドを受けての飛行。着きそうで着かない台湾-香港の飛行になっている。
 水を貰って頭をはっきりさせるともう少し恥辱に取り組む。その間に飛行機は着実に西へ。15:06 機長から案内。何を言っているのかさっぱりだったが、時間から言ってあと1時間。着陸の案内には少々早い。

 テレビモニタには乗換案内が流れ始めた。バンコクやクアラルンプール。ドバイなどさらに西の各地が目立つ中、反対方向のロサンゼルスへ向かう人もいるようだ。

 写真を撮っていると乗務員さんにアンケートを渡される。たまに見聞きするし、一度、妻と二人で乗っている時に、妻がアンケートの対象になった事はあるが、自分が対象になるのは、たぶん初めて。機内食はいいけど、チェックイン時の荷物を預けるところが減点だなぁというところ。次にキャセイを選ぶかというと、時と場合とご予算によるから一概には言えず、なかなか難しい。
 再び案内があり、今度は各国語となる。日本語でも案内が入った。空港が混雑していて管制塔の指示により上空で旋回するとのこと。着陸自体は定刻の15:05となるそうだ。そして間もなくベルト着用サインが点灯する。時刻は日本時間の15:24、香港時間なら1時間遅くなって14:24である。
 マップの上で飛行機はぐるっと一周、二周目はないまま香港へと向かう。残念ながら外は雲。景色の見えないままに飛行機は下降してゆく。香港の街、ちょっと南をかすめてどうやら西側からの着陸になるようだが、香港の街も見えないまま、気が付いたら本当にすぐそばに海が迫っていた。14:59、Landing。滑走路はわからず。
 重たい飛行機が滑走路上、長々と使って減速してゆき、誘導路をTaixing。Spot inは15:06となった。ほぼ定刻。出発が遅れた割には立派。もう少し偏西風が弱ければ早着しただろうけど。
 この時間の香港。視界が効かない。もしかすると中国あたりから変なガスが流れ込んできているのかなぁとも思わなくはない。
 1番スポットに到着した。すぐそこが入国審査。すぐに入国できて荷物の受け取りまで待ちぼうける体となる。荷物を受け取って外に出ると15時半近くになっている。到着ロビーの許留山が妻との待ち合わせ場所。先に飛び立ったJL29も何事もなく到着しており、無事合流となる。

 今日は香港島、天后駅近くのホテルを予約している。ホテルまではバスで移動。A11系統に乗る。バスは市内に向かう高速道をゆっくりと走る。

 相変わらず視界は効かず港の向こう、九龍ですら薄ぼんやりとしか見えない。30分で九龍の海底トンネル。そして上環からは下道となる。銅羅湾でたくさん降りて行って2階席、空席が目立つようになる。目的の天后までは1時間ほど。着いてみると17時になっている。
 外は寒いとは言わないが涼しいぐらいの天候。長袖に一枚羽織るぐらいでちょうどいい。街を行く人は薄手のコートを着込んでいたりする。ホテルにチェックイン。部屋に上がってみる。ビルの向こう、ビクトリアピークが霞んでいる。荷物をしまいこみ、落ち着くころには外は暗くなった。
 今日はこの後、夕食を妻のお友達とご一緒させて頂く予定になっている。待ち合わせは二駅隣、北角のホテル。少々間があり、その前に買い物があるそうで、反対側に一駅、銅羅湾に向かう。地下鉄に乗るほどでもなく、トラムのお世話になるほどでも無し、歩いて向かう。

 トラムの銅羅湾、折り返し地点に電車が屯ろするのを見つつ、賑々しい銅羅湾の街にやってくる。人々が満ち満ち、溢れかえる。横断歩道のカタカタカタカタという音もどこか狂気を孕むようだ。
 目的のものには出会えずしまいで時間切れ。北角に向かう。地下鉄で行くのが早いが、トラムに乗ってみる。

 夕方の帰宅ラッシュだからかトラムは混んでいる。満席のトラムをやり過ごして後の電車を選んだら空いていたけど、二駅、三駅進む間に、こちらの電車も満席になった。ホテルを挟んで三駅分をゆっくり移動し、北角近くの停留所で降りる。トラムの良いところ地下鉄よりもきめ細かく目的地のそばまで行ける所だ。しかも安いし。
 ホテルのロビーで妻のお友達と待ち合わせ。夕食の候補、いくつかあるそうだが、広東家庭料理の店と言うのに連れて行って貰う。少々歩いて、トラムの北角折り返し点の近く。

 人気店らしく結構混んでいる。見た目に満席だったが一つテーブルが開いていて待たずに入店できる。日本語で会話しながら広東語のメニューを見ていると日本語メニューを持ってきてくれた。ここの店、日本人駐在員に人気があって、お昼時には日本人も目立つそうだ。しっかし

 誰か指摘してあげようよ、と思うレベルの日本語。ハリケンビールはハイネケン。キンリックスビールはどうやらギネスビールのことらしい。まぁ、びっくり。

 さて、ビールはブルーガールを。これは何故か何故だか日本語メニューから欠落していた。藍妹でブルーガール。意訳でしょうね。
 品物は一人一品ずつ三品。青菜入りのご飯とセットで頂く。このご飯が名物であるらしい。




 日本の中華料理屋ともだいぶ違う感じの広東家庭料理の店。味が確かで価格も手ごろ。地元民とか駐在員に人気の理由がよくわかる店であった。北角なんてそうそう来る所ではないけど、いい店を教えて貰った。
 食事の後は北角の街をぶらぶら。トラムの通りを少々歩いてみる。

 キリスト教会が大家のビル。一階の店子は吉野家。キリストと牛丼が仲良く並ぶのは香港らしい混沌さが滲み出ていて何とも楽しい。
 妻とそのお友達が仲良くウィンドショッピングを楽しむ中、自分は通りの歩道に立って、行きかうトラムを撮ってみる。

 行先表示がLEDになった車両がトラムの中に見えるようになっている。この車両は168だが、もう少し若い番号の車両にもLED車がいるようだ。香港のトラムにも時代の波が押し寄せているのだと実感する事になる。

 やっぱり普通の幕が良いよねと思う。旅行者の勝手な意見ですけどね。
 妻のお友達は明日は所用で広州にそうで、2時間ほどお付き合い頂いてお別れする。ホテルの方へぶらぶら。まだ部屋に戻るには早いとのことで、何か甘いものを、という妻のリクエストに答えて寄り道。歩いて天后の近くまで戻った後に

 脇道に入った所。適当なデザートの店に入る。適当に入った店だが、案外と混んでいる。何軒か甘味処がある中での混雑だから立派なもの。
 あまり甘い甘いしたものは好みでないので

 おすすめのマークが付いていた豆腐とマンゴーのデザートを頂いた。妻は

 胡麻豆腐とタピオカのアイス。何故かこの店、豆腐押しらしい。マンゴーはマンゴー、豆腐は豆腐だよねというのが率直な感想だが、甘過ぎないのでまぁ良いことにする。
 残念ながら自分が疲れてしまい、街歩きはこれでギブアップ。ホテルに戻る。コンビニでビールを買って部屋に戻ったものの、とてもとても飲むことは叶わず。ベットでバタンと寝てしまった。