JL723 JA653J B767-300ER NRT→KUL

 夏休みの第二区間は目的地へのフライト。マレーシアの首都、クアラルンプールに飛ぶ。2009年の3月に訪れた事があるが、それ以来となる二回目のマレーシア。結構好きな国なのだが、なかなか縁が無かった。久しぶりのマレーシア。楽しみにしている。

 今日のフライト、満席である。多少の満席だといわゆるインボラアップグレードがあったりするのだけど、今日はビジネスクラスを含めて完全の満席。乗れない人がいたのかも知れないぐらいの状況で、インボラも何もなく、事前にしていた通りの座席に落ち着く。待っているのはJA653 J。JALB767としてはかなり新しい方で、ビジネスクラスはスカイラックスではなく、スカイリクライナーという何が変わったのかよく分からないシート。エコノミークラスもエンターテイメントシステムがMAGIC?で座席に電源があるという若干良いシートとなる。このタイプの機材にあたったのはこれだけJALに乗っていても実は初めてだったりする。
 座席に落ち着いて出発を待つ。定刻を過ぎる頃、あと数名のお客様をお待ちしておりますの案内。一人か二人、ビジネスクラスに落ち着いたところでドアが閉まる。時刻は11:34。今日は離陸してか4〜5時間、揺れる事があるとのこと。満席の機内ではありますが、ごゆっくりとおくつろぎ下さい、なんて言葉が添えられる。11:39、Pushbuck。11:42、Taixing。A滑走路から離陸するようだ。延々タキシングする間に一度すこんと寝てしまった。目覚めてもまだ成田空港。第一ターミナルがみえる。一つ前にAAがタキシング。先程のダラスゆきらしい。SASの姿も見える。この時間帯、ヨーロッパ方面は出発ラッシュだ。どうやらA滑走路渋滞に巻き込まれたようだ。
 停まりはしないものの延々とタキシングを続け、ようやく滑走路端にたどりつく。12:06、Takeoff RWy16R。そのまままっすぐ上昇を続けて行く。眼下の大地がかすんで行く。まもなく海岸線が見えてくる。なお先へ。太平洋上を高度を上げて行く。まずは大人しい、順調なフライトが始まるようだ、12:15、ベルト着用サイン消灯。


 外は霞んでいて景色は分からないが、フライトマップの表示で太平洋上と知る。房総沖を大きく回り、太平洋上を西に向かうらしい。右手の窓から差していた光が左手に移ってゆき、向きが変わった事を知る。
 試しにPCを出してみて電源を生かしてみる。パソコンを広げるとちょっと狭い。PCの画面、もう少し引きが欲しいのだけど、座席間隔から言って無理。テーブルも狭い。今日は隣が妻だから理解があるけど、赤の他人が隣だとかなり気を使うに違いない。こうしてみると飛行機の中で仕事をしていこうとすると、最低でもプレミアムエコノミーの椅子は欲しいよね、ということになる。しばらく資料を作ってみたのだけど、諦めモードに入る。

 そんな間におしぼりが配布される。簡単だが布のおしぼり。経営破綻した後に見かけなくなっていたが、中長距離線では復活したか。以前と同じくささやかな布であるが、紙のおしぼりよりは良いと思う。温かいのもやっぱり嬉しい。
 そしてドリンクのサービスとなる。こちらも経営が立ち直ってからは中長距離路線では食事の前にドリンクサービスを、という従来のスタイルが復活している。ひとまずヱビスを頂く事にする。ラウンジで少々飲んできた後で改めてビール、というのも難なんだけど、エコノミーでややこしいお願いをしても迷惑だろうし。空いていればウィスキーか何かでも頂いたかも知れないですけどねぇ。

 缶とコップが置かれたテーブルはいよいよ狭くなるのでそろそろPCにはお暇頂く事にする。しばらくヱビスを楽しむ。缶が空いて間もなく、今度は食事のサービスが始まる。時刻は13時過ぎ。午前中にラウンジでいろいろぱくついて来たから自分自身は空腹ではないが、世の中的には13時といれば昼過ぎ。早めに食事が出てくるに越した事無い。


 二種類ある機内食。片方が焼肉と味噌カツのコンボ丼で、もう一方が釜飯風いろどりご飯という二択。サイドのサラダが野菜スティックとしても頂けるのが物珍しい。ちょっと乾燥気味だったけど、気分が変わる。サイドが2品にサラダとメイン。一頃の明らかにコストを下げた食事からは風向きが変わった。

 ゆっくりと食べている間にデザートのアイスが渡される。カチカチに凍っているのは困りものだが、そのうち緩くなるから、まぁいいか。

 ゆっくり頂いたので全てが終わると14時近くになっている。外を見ると小さな島が一つ見えている。ずっと洋上飛行だったけど、どうやら九州から台湾へと続く島弧に差し掛かったようだ。成田を飛び立ってからまだ2時間少々。先は長い。

 14:30を過ぎて、珊瑚礁のきれいな島が見えてきた。

 意外と大きな島で市街地も見えてくる。どうやら石垣島らしい。周辺の島々もいくつか見て取れる。ずいぶんと飛んできたつもりだったが、まだ先は長いなぁと思う。向かい風が強い訳でもないようだが、今日のフライトは時間が経つのが遅い。映画一本を見終わり、もう一本行こうかという気になる。
 15時ちょっと前に機内の灯りが暗くなる。もう寝なさいというぐらいの暗さである。シェードを開けておくのもためらわれて3/4まで閉じてみる。眠たさを誘う暗さだが、映画を見ることにする。

 飛行機は台湾の南側をかすめた後、南シナ海を南西にと向かう。
 本日二本目の映画を。ホノルル線や韓国線あたりに使われるB767のMAGIC?よりも画面が大きいので見やすいのはありがたい。最新の機材、では無いにせよ、新しい機材は良くなっているんだなぁと感心する事になる。 
 16:18、サイン点灯。しばらく揺れが予想されるとのこと。外を見ると、

 確かに不穏な雰囲気。ベルトだけ確認しておく。幸い何事もなく次第い外が明るくなる。16:28、ベルト着用サイン消灯。
 二本目の映画がそろそろ終わる17:16、機内に灯りが戻る。乗務員が籠を持って機内を廻る。おしぼりをもう一回、もらえるのかと思ったら

 リフレッシュメントの菓子パン。その後でジュースの配布。こちらはワゴンでは無くて一種類ごと、パックとコップを持って廻るシステム。同じような時間帯のホノルル発日本行きは二回目の食事もそれなりに対応していたけど、東南アジア線の場合はあくまでおまけなんですねぇ。へぇと思う。
 長かったフライトそろそろ終盤。お手洗いに立った時、ギャレーに着陸までのスケジュールが張り出してあるのが見える。17:45Landingとあり、どうやら現地時間らしい。29℃の曇りマークなんて表記もある。JALといえども多国籍部隊となる乗務員同士のやりとりは英語なんだなぁと妙な事に感心する。


 台湾以降、久しぶりに地上が見えた。非常にうっすらとだが、間違いなくマレーシアの大地。だんだんとはっきりとして来る。18:35、ベルト着用サイン点灯。あと15分で着陸とのことで、電子機器の使用が不許可となる。だんだんと土地がくっきり見えてくる。ゴムのプランテーションだろうか、整然と並ぶ木々がだんだんと大きく迫ってくる。そして空港の敷地。18:50、Landing、RWy32L。マレーシアと日本の時差は1時間なので、こちらの時刻では17:50となる。広大な空港の中をTaixingしてゆき、17:58、Spot in、SP C6。

 機内から外に出ると東南アジア独特の何かの匂いが鼻を突く。この感じ、嫌いではない。そして意外と暑苦しくない。29℃、の案内通りに今の日本よりはずっと涼しい。
 入国手続きをすべく本館側へ向かう。マレーシアは入国書類が無くなった代わりに指紋を採る事になったそうだが、なぜか指紋を採られる事も無く、入国が許可される。割とルーズだなぁと思う。
 荷物をピックアップ。税関も完全にスルー。どこかでチェックはしているのだろうが、見た目には緩いなぁと思う。
 入国すると18時半過ぎ。今日はこの後、もう一本乗り継ぎがある。今勢いのあるエアアジア、マレーシア国内線に乗ってペナンまで。
 エアアジアに乗るためには今いる、KLIAからLCCTに移動する必要がある。同じ空港なのだが、滑走路を挟んで反対側にターミナルがある。いわば全く別の所。移動手段はバスに乗るしかなく、まずはそのバスターミナルまで。若干迷いつつもたどりつく。


 ちょうどバスがいる。30分毎にしかバスが無いそうなので、このタイミングで乗れたのは少々ラッキーである。運賃は2.5リンギ。 

 バスは猛スピードで空港からどんどん離れてゆく。滑走路を飛び立つ飛行機が遙か上空に見えるようになる。どこまで行くのかと思うぐらいだ。10分、15分。まだ着かない。ロータリーを1度、もう1度曲がり、今度は管制塔が大きくなってくる。再び空港の匂いがしてくるとようやくLCCTに到着。


 ここまで25分掛かった。19:30近くになっている。
 今日はこの後、22時の便を取っている。21時の便でも十分間に合うのだが、何かあった時に備えて、十分に余裕を持つことにしたのだ。が、信頼の翼はこちらの想像以上にしっかりと飛んでくれた。だから今日の乗り継ぎは時間を持て余す事になる。

 チェックインはウェブで済んでいるから、まずやるべき事は荷物を預けること。出発3時間前から預ける事ができるようで、22時発の便も問題なく引き受けて貰える。これで手続きとしては完了である。まだ2時間以上ある。
 LCCTは質素なりに店はあって、フードコートやファストフードも揃っている。その中から、

 マレーシアの地場チェーンらしいMarrybrownという店に入る。隣にある世界的チェーンのSamurai Chickenというのも大いに気になるが、地場のチェーン店を試さなくて後で後悔した例がベルギーである。
 ムスリムの多いマレーシアらしく、バーガーはチキンとフィッシュ。それにフライドチキンが看板らしい。これだけ見るとマクタッキーだが、中華系の麺やチキンライスなどもある。その中から麺のセットと単品でチキンバーガーを頼んでみた。セットは10リンギ弱。バーガーは4リンギ少々だったと思う。ちなみにメインらしいフライドチキンは品切れ。出来るまで20分掛かるそうで。


 味はまぁまぁ。ひとまずマレーシアには触れた気分になれる。
 まだまだ時間がある。辺りにある店を一通り眺めてから保安検査へ。21時近くだったが空いていてすぐに搭乗待合室に入れる。22時過ぎまで出発便があって、待合室内は結構にぎやか。飲食店やら何やらもあるので、羽田の国内線と遜色ないかも知れない。