無理矢理起き出した。まだ薄暗い朝の4時半。荷造りは済ませているから身支度を少々。5時前には出掛ける。南太田から始発の

 7運用814編成。そして新町から

 53SH運用、607編成。成田空港行きだが再び成田に行く訳ではない。品川で降りて山手線に乗り換える。

 朝の山手線。運行情報には京王線一部運休の案内が流れている。昨夜の終電終了後に始まった調布地下線切替工事。今日もまだ続いている。その切替工事を見ていこうかと思っている。
 新宿に6時。予定では始発から6時頃までは八幡山ー府中間が運休。その後はつつじヶ丘までは走るようになる筈で、そろそろつつじヶ丘まで走っているのかな、と思ったのだが、

 この時間、まだ八幡山までの運転。10分毎に八幡山行きが並ぶダイヤ。ちょっと工事が遅れているのだろうか。

 新宿駅は3番線に八幡山ゆきの各停が発着。1、2番線は使用停止で、ロープが張られている。地下線開通後に使われるのか、9742、9749Fが完全に火を落とした状態で停まっている。
 6:10の八幡山ゆき。座席が半分埋まる程度のお客さんを乗せて西へ向かう。今日の工事、かなり前から大々的に告知してきたはずだが、それでも「八幡山までだって」「新宿戻った方よくね」なんて笹塚から乗ってきた高校生の集団がやり合っているのを見ると、見てない人は全く見てないんだなぁと。

 八幡山到着。1番線について引き上げ線に入った後、新宿へと引き返すが、2番線に1本、新宿行き。引き上げ線にも2本電車がいる。

ちょっと見ていると2番線が発車した後に引き上げ線の電車が2番線へ。そして1番線の電車が引き上げ線に入って行く。かなり余裕を持って折り返しを設定していることが分かる。

 八幡山の時刻表。6時台のつつじヶ丘行きが消されている。今のところ運転再開の見込みは10時とのことだが、どうなるのだろう。まずは代行バスで西に向かう。

 待っていた代行バスは西武バス。八幡山なんかで西武バスを見る事になるとは思わなかった。「京王線代行バス 調布駅 府中駅」と表示に出ていて、これはLEDの為せる技。立客大勢で府中に向かう。
 芦花公園千歳烏山とバスは旧甲州街道に設けられたバス乗り場でお客さんを乗降させる。各バス停、制服を着た係員のほかに臨時のバイトらしい私服の人も何人かいて、案内をしたり、乗り降りする人のカウントをしていたり。要所要所の交差点には誘導員もいて、スムーズなバスの運行に一役買っている。
 仙川は駅前に入る。下りは駅前だが、上りは甲州街道に設けられたバス停での乗り降り。日曜日とは言えそろそろ7時。仙川の上りバス停には長い列が出来ている。
 同じく駅前にバス停が設けられたつつじヶ丘まで来るとバスはだいぶ空いてくる。柴崎と国領もバス停は旧甲州街道にある。

今日は国領で下車。ひとまず切り替えポイントを見に行こうと思う。

 上りのバスはまだ八幡山行きとして運行中。上り代行、西東京バスが国領のロータリーに入って行く。踏切の部分、既に線路のところに柵が設けられ、レールはアスファルトで埋められている。高架駅への階段は封鎖。そのかわりホームが一部取り払われていて、どうやら地下駅への入り口ができているようだ。

 切り替えポイントに行ってみた。地上のレールがぶっつり切れて既に地下への線路、そして架線もつながっている。作業は継続中。資材の搬出が中心で、わりと手持ちぶさたにしている係員も多い。そして見学者の多いこと。一番忙しいそうなのは誘導の担当。
 いくつか踏切を見てみたが、国領駅のところで試運転列車を待つ事にした。鉄と地元民の交わる切替ポイント。だんだんと日が高くなり、暑くなる中をしばらく。場がざわつきだしてどうやら試運転の一番列車が近づいてきたようだ。時刻は8:05。

 やって来たのは8722F。ゆっくり、本当にゆっくりと繋がったばかりの地下線へ入って行く。辺りで拍手が沸き上がる。作業員に安堵の空気が流れる。
 その後も、上水にいた10-370F、八幡山にいた7726F、新宿にいた9742Fが試運転列車として続く。上り側からは9703Fが8:30ごろゆっくりと通過。
 ちょっと休憩。その後、調布まで歩いてみる。
 昨日まで電車が走っていた調布の線路。慣れ親しんで来た調布の線路が、死に絶えているのを横目に歩く。踏切の数だけブツブツと切られているから、目に見えて機能停止していることが良く分かり、何とも言えない気分になる。

 一方で各駅は地下駅での営業に向け最後のラストスパート。布田駅が何ともささやかな駅になって営業開始を待っているのに対して、

 調布駅東口は今から駅の看板を掲げるところ。もう9時10分なのだが、大丈夫か??

 西側には線路を跨ぐ自由通路が出来ている。ホームの外れだから、通路のすぐ脇はポイント。ここを行き交う列車を20年撮り続けて来て、最後の最後にすぐそばまで近寄る事になるとは思っていなかった。みんな写真が撮る中を何とも言えない気分で佇む。

 調布駅北口。代行バス関東バスが来ている。調布で関東バスなんて、何とも不思議な気分になる。
 調布は上りがロータリー発着なのに対して下りは旧甲州街道、パルコの八百屋前発着。そろそろ運転再開しそうだが、とりあえず飛田給まで行こうかと思う。やってきたのは西東京バス。がら空きでいわゆるヲタ席に座れた。

 旧甲州を連なる西武バスの姿に違和感を覚えつつ、代行バスの終点、飛田給を目指す。鶴川街道を東急バスが走っていたが、これも代行バスだろうか。
 作業員が旧甲州を連なって調布に向かって歩いてゆくのとすれ違いつつ、飛田給に着いてみる。既に列車が動いている。ちょうど上り新宿行きの各停が3番線に入ってきた。これに乗ろうかと思っていると2番線を準特急が思い切り掛けて行く。もう急行系列車走らせているのか、と感心した。

 先頭は込んでいるようなので最後尾に乗って地下線を試す。西調布を出てちょっと、切替部を通って地下へと降りて行く。調布駅の手前で信号停止。だいぶ停まる。まだダイヤが順調に回っていないようだ。不意に動き出して調布駅に。ホームは広くなって、ホームドアまで付いて、立派な駅になったのは分かったが、あの調布駅とは思えない。
 相線からの各停がやってきて接続。だいぶ停まった後、相線各停の方が先に出ていった。ついでこちらも発車となる。
 布田と国領も全く持って別の駅で何だか落ち着かないまま地上に戻る。利用客も係員もまだ戸惑いながらひとまず動き始めた京王線。もう少し落ち着かないとどうのこうのと言えない感じだ。
 つつじヶ丘で引き返そうと思ったのだが、やってきた急行、9730Fにヘッドマークが付いているので乗り込んでしまう。

 千歳烏山でとりあえず押さえておく。地下化記念のヘッドマークだった。
 一度改札を出て再び下り線。この度は相線の地下部分を見てやろうかと思う。やってきたのは各駅。まだ急行系列車が戻りきっていないようで、本来なら快速が来る筈だが、列車が無くなっている。
 調布まで行ったところで友人にばったり。まだ地上線の跡を見ていないそうなので、改札の外に出てみることにした。

 明るいけどまだ何か違和感のある調布の改札口を見て地上にあがる。地下の通路が長くてちょっと距離がある。昔の地下通路だった頃の調布からすれば明るいことは明るいが、電車が遠くなった。
 改めて線路を眺めつつ、西調布側の切り替えポイントを目指す。途中のファミリーマートにこんな張り紙が。

 最後、本当に撮影する人が多かったんだろうなぁ。調布なんて誰も写真撮ってなかったけどなぁ。

 鶴川街道を越えると切り替えポイントが見えるようになる。こちらは地上の仮線を上に引き上げたような状態で電車を通している。使われなくなった仮線の下に真新しいバラストが白く輝いている。ここ、整備されたら綺麗に写真が撮れるようになるかもなぁと思う。

 切り替え地点の真横へ。行き交う電車の合間を縫って保線係員が線路の修正を行っている。もう11時。昨晩からずと仕事だろうか。電車は走り出しても作業はまだまだ続く。暑い中大変だ。

 最後に京王多摩川側の切り替えポイント。ここは相模原線で一番橋本よりの踏切で、工事の始まる前は良く写真を撮りに来ていたけど、工事で撮りづらくなってからはご無沙汰である。

 踏切は朝晩を除いて通行止め。今も通行不可である。切り替えポイントはちょっと見にゆけそうにない。

 西調布側と同じように、仮線を上に上げたんだろうなぁと想像しつつ、京王多摩川に抜ける事になる。

 京王多摩川から快速で地下線の切り替え区間を試してみた。既設の高架線。河岸段丘の為せる技だが、あっという間に地上に降り、そして地下へと入る。上り線は調布駅地下3階の発着。その深い地下へと転がり込むようにスムーズにホームへ入る。既に向かい側には準特急がいて、接続となる。座ってゆきたいのでそのまま快速に乗る。
 準特の後を追いかけて出発。布田のカーブが良く分からないまま、スクリーンタイプのホームドアが流れる。国領のカーブはもっと急なカーブだったがこちらも乗っている分には良く分からないまま通過となる。カーブ半径がだいぶ緩くなったようだが、これ、実際にはかぶりついてみないと分からないだろうなぁ。確認出来るのはほとぼりの冷めた後かも知れない。
 明大前で井の頭線に乗り換える。ようやく元の京王電鉄、というか、知っている京王電鉄の空気に戻る。単なる地下化なら、東横線の横浜とかで経験しているが、これほどの戸惑いを覚えたのは未だかつて無かった。馴れるまで時間が掛かりそうだ。まずは来週末の京王線、どこで撮ろうかと思う。
 渋谷から東横線で帰宅する。戻ると13時半。朝早かった事を考えると結構な時間だ。さすがに疲れて昼食後に昼寝。夕方までぐっすりとなる。
 本来なら夏期休暇は今日まで。明日から会社だが、今の上司は明日も休みをくれた。今日は横浜の自宅で夜を過ごし、明日、愛知に移動する事にする。