ずっと夢を見ていた。旅行に行く夢と仕事の夢を交互に。どちらも時間が進むと場面が分かってゆくという不思議な状況で朝を迎える。日曜日の朝、午前8時。
 今日も天気は冴えない。京王線を撮りに行くのはやはり無理そう。今月はまだ一度も多摩川を越えていない。
 妻は友人と会う約束があるそうで午前中のうちに出かけてゆく。帰りは夕方だそうだから自分は早いうちに移動しておこうかと思う。18きっぷの在来線乗継、3回目のつもりだが、いざ出かけようとすると肝心の18きっぷが無い事に気付いた。どうやら愛知の出先に置いてきた様子。
 仕方ないから熱海までは普通乗車券、そこから先は休日乗り放題きっぷを使う事にする。18きっぷを持っているのにバカらしいが仕方が無い。
 18きっぷを使うのであれば横浜に出て、と思わなくは無かったが、熱海までは普通乗車券なので地下鉄で戸塚に出る。例によって時刻表は見ていない。ダイヤ改定後一回目の在来線乗り継ぎだから多少勝手が違うかも知れないが、どうだろうか。
 地下鉄で戸塚に出ると13時を少々廻った所。東海道線、先発は平塚行き。次発は熱海行き。

 熱海行きまでちょっと間があるのでお昼を戸塚の駅そばで済ませる。「鎌倉そば」と言う名前だが正体はNRE大船軒のような個性は期待できないがとりあえず

 山菜そば、¥360。やっぱり個性は無かった。次からはワンパターンでも大船軒にしよう。
 蕎麦を食べ、店を出る頃には熱海行き到着の案内が流れる。やって来たのは 

 E233系だった。普通列車の熱海行き。快速との絡みが良く分からないがとりあえず乗ってしまう。隅っこの14号車は空いていて、先週のように酒盛り集団に囲まれる事も無く、淡々と西に向かう事になる。
 車窓に菜の花畑が流れる。梅の花も咲いている。3月ももうすぐ20日春分も近い。3月になってからも雪が降ったりして冬の続きみたいな気分で居るけど、春が来ている事を思い知らされる事になる。でも

 空は暗い。相模湾も雲と海の境目がはっきりしない。鉛色の日本海、とは違うけど、春のうららと言うにはちょっと程遠い。春は近付いているけど、足音はかなり控えめ。
 熱海に14:30過ぎの到着。接続良く浜松ゆきがあるが、今日はここで新しく切符を買い求めるので一段落とす事になる。

 一本前の電車は浜松行きだったが、今度の電車は島田行き。改定前であれば確か興津で乗継、そして静岡でも10分停まる何とも残念なパターンの乗継だが、試しに調べてみるとその辺りのつながりは変わらない様子。実に残念。
 熱海での接続もあまり良くないためかさほど混まないまま熱海出発となる。3両編成の前と後ろには立客が見えるが真ん中の2両目には空席も見える状態で出発。
 自宅で適当に選んだ文庫本を読みつつ西に向かう。ちょっと疲れて沼津で本を閉じて目を瞑る。吉原の様子を見たかった気もするが、一度気が付くと富士。もう一度眠ると由比まで来る。次は興津。さすがに起きている事にする。
 18きっぷで乗り継ぐお客さんにはお馴染みの興津乗継。興津で降りて上りホームに向かうお客さんの数はちらほら程度で意外と少ない。この乗継で西に向かう人は限られるらしい。待つ頃しばし、上り電車がやってくる。

 折り返し浜松行きとなる電車。こちらも3両。興津始発の段階では極め付けに空いていて、パソコンを取り出し、昨日の恥辱をまとめてしまう。
 静岡に16:29。既に戸塚から3時間以上が経っている。熱海の乗継で1本落としたのと、興津の乗継で想像以上に歩みが遅い。静岡で3両増結となり10分停まるからさらに遅くなる。先週は順調な乗継だったが、今週は随分と酷い乗継になっている。
 立客大勢で西に向かう。島田あたりまでで落ち着いてロングシートにも余裕が出来るだろうと思っていたら、今日は立客こそ消えたものの、席に余裕が出来る事にはならない。ちょっと恥辱をまとめるのは難しい様子。
 熱海に着いてから3時間、ようやく浜松に着く。今日は恐ろしいまでのスローペース。でももうすぐ立春だからまだ外は明るい。次の列車は、

 珍しい事に豊橋より先に直通する新快速の米原行きだそうだ。ロングシートから転換クロスシートに出世し、1時間近いまとまった時が取れる事になったから、

 キヨスクに脚を伸ばしてビールを確保した。この電車、米原には20:40に到着だそうで、大阪辺りまでなら十分乗継範囲。その割にはそれらしいお客さんは少ないけど。
 ビール片手に今日の恥辱をまとめつつ先へ進む。今日の分を有る程度。下手に日本海に触れてしまった金曜日の分は収拾がつかなくなる。
 普段より1時間半ほど早く、出先の家に到着。明日以降の食材も作っておく。お昼用のお弁当も久しぶりに。