JL509 JA8978 B777-289 HND→CTS

 今日の予約便は元JASのぐるぐるセブン。その二号機であるJA8978である。  


 ほぼ満席と言う今日の千歳行き。既に搭乗が始まっていて行列が吸い込まれてゆく。
 今日は普通席。翼の後ろだから結構な後方席となる。2-5-2の9列配置の座席が真ん中までめい一杯。10年以上前の普通席、つまりエコノミークラスは背凭れが分厚さで多少狭く感じる。先日乗ったKALのエコノミークラスが多分最新型だったから、比べると進化が良く分かる。

 相変わらず空は暗いまま。先ほどから飛び立つ飛行機をみていると翼を右に左に振りながら上昇していっている。
 千歳までの上昇中下降中、揺れが予想されており、ベルト着用サイン消灯が遅れる旨、案内がある。お手洗いへは今のうちにどうぞと案内があった後、9:31、Doorclose。9:35、Pushbuck。混んでいる割には定刻の範囲。
 9:39、Taixing。係員が手を振るのに振り替えすと、今度は両手で振り始めた。地上から機内の様子、意外と見えるものだと聞くけど、やはり見えるらしい。
 南からの風が強く吹く中、北側の誘導路を廻り、B滑走路へと向かう。意外と早いタイミングに滑走路端に着く。そこで初めて待機、4分後にエンジンの唸りが変わった。9:49、Take off RWy16L。白波立つ東京湾が一瞬で雲に隠される。軽い揺れを伴いながら、真っ白な中を上昇。翼の先端ですらはっきり見えないような雲の中だ。
 東京湾上を反転し、一瞬、湾岸の高層団地を臨んだ後には、本当にどこを飛んでいるか分からなくなった。表示されるモニタで、どうやら順調に関東平野を北上している事を知るのみである。

 電子機器の使用が許可となる。9:55のこと。外はまだまだ真っ白と言うより真っ暗といいたくなる雲の中。揺れはしないが、条件の悪いフライトで有ろう事は簡単に想像がつく。
 10:02、ベルト着用サインが消灯する。高度は12,500mまで上がった。

 ようやく青空がちらっと顔を覗かせる。機体は既に白河の関を越えようとする所。北海道も天候は良くないようなので、どうやらこの先、着陸までこんな景色が続くようだ。東北の綺麗な秋景を見たくて選んだ座席なのだが、当日の天候ばかりは運を天に任せるより他、無いから仕方が無い。
 マップ上、飛行機が新庄を越え、秋田県内へと差し掛かる頃、ドリンクのワゴンが廻ってくる。

 プレミアムエアラインの象徴、に祭り上げられたコーヒーを頂く。勿論、途中で出てくるコーヒーは嬉しくありがたいけれども。今日は揺れが予想されているからか、カップに蓋がついてきた。こう言う心遣いの方が、むしろプレミアムエアラインに相応しいような気がする。
 10:32、機長さんから案内。まもなく降下開始をする事と、降下に際して、揺れが予想される事。そして、7分後にシールベルト着用サインが点灯する予定である事が伝えられる。千歳の天候は小雨で気温は12℃だそうだ。合せて
「揺れが予想されるため、キャビンアテンダントには無理をしないよう指示しております。サービスが行き届かない事があるかも知れませんが、何卒、ご容赦頂きます様お願いいたします」
 こんな言葉が添えられるのは初めて聞いた。この機長さん、管理職の鏡だと思う。偉いなぁと感心した。 

 お手洗いのついでに機内の様子を。後方席でも真ん中5列席のまん真ん中が埋まっているぐらいだから搭乗率としては立派なものだ。
 10:41、ベルト着用サインが点灯する。

 スポイラーが立っていて既に降下を開始した所。青空と雲の混じったような中を降下してゆく。次第に雲だらけになる。多少の揺れは覚悟していたが、意外と揺れない。大人しく降下してゆく。
 マップ上は北海道に差し掛かった。どうやら南側からそのまま千歳へアプローチしてゆくようだ。高度200mとかと言う表示になって初めて地上が見える。霞んだ原生林。明らかに千歳空港の手前だが、想像以上に視界が良くない。大丈夫かなと思いつつもスルスル高度を下げてゆくと飛行場の敷地に差し掛かった。
 10:52、Landing、RWy01R。急減速してゆき、速度が緩んだ。誘導路へと入ると意外と空港の敷地が見渡せる。先ほどの霞は何だったのだろう。

 10:56、Spot in SP16。定刻よりも早く、千歳到着。降機時にガイドブックが配られる。よくある無料の小冊子。
 今日は札幌市内に宿泊予定。まずは電車で札幌まで向かう。15分毎の快速電車。今度の列車は旭川直通。座れれば乗り得。立てば最悪の快速エアポート。幸い、バラバラであったが座れて、南千歳でまとまって座れる。
 冴えない天気だが、紅葉がちらほら。一足早く秋を迎えに来たような感じになる。走るに連れて通路に立つ人も増えて、あんまり嬉しくない快速電車の本領発揮。地元の人はどう思っているんだろうかと

 札幌に12時ちょっと前の到着。千歳からの乗客は殆どが降りてゆく。札幌の天候、機内では小雨、12℃と告げられていたが、曇り空にそこそこの温もり。意外と過ごしやすく寒さ対策でもって来たジャケットは持て余しがち。傘も無用の長物。
 ホテルのチェックインは14時以降だが、荷物だけでも預かって貰おうといったん向かう。大通まで一駅を地下鉄。¥500で乗り放題になるドニチカきっぷを買ったから遠慮する必要はない。
 荷物を預ける。チェックインだけ先に済ませておき、荷物は部屋に運んでもらえるそうだ。だいぶ身軽になる。

 お昼を少々過ぎたところ。食事をする。ありきたりだが、スープカレーを頂くことにした。ちょっと歩くと、

 路面電車の通りにでる。

 ここを西の方へ歩いて行くと目的の店はある。何のことはない、無料のパンフレットで選んだ店だから、何かのこだわりが有るわけではない。入ったときは空いていた店だが、少しずつお客さんが増えてきて狭い店内が一杯になる。それなりの人気点なんかも知れない。

 オーソドックスなチキンと野菜のスープカレー。味は辛口の5にした。15段階の5番目だから大した事は無いはずだが、トゲを包み隠さない辛さがある。妻の頼んだカレーの辛さが4でこちらはトゲを隠した辛さだったから、6より上は相当辛いのだろうと思う。

 自分で作るのは難しいようなしっかりとしたスープカレーを頂いた後は大通公園をぷらぷら。所々、赤く染まった木があったり、ナナカマドの赤い木の実が見て取れたり。気が付いたらテレビ塔の近くまで来ている。
 改めて動く。地下鉄は東西線。東の終点、宮の坂へ。ここの駅から10分弱歩くと、北海道を代表する、というよりは日本を代表するお土産といって良いと思う石屋製菓のテーマパーク。白い恋人パークがある。

 前に来たときは吹雪の中であり、今日は秋色の景色の中。庭の様子もだいぶ違うので、何か別の所来たのではないかと勘違いしそうになる。
 ここに併設の喫茶室が今日の、と言うか妻の目的で、ケーキバイキング¥1,500也が大人気なのだそうだが、今日来てみると、バイキングは3日前までの予約制に変更となっている。今年の1月からだそうだ。中途半端なリピーターであるが故に、下調べする事無く現地へ直行する訳で、こういう事になる。

 結局セットメニューを頂くことになる。3個でも多いと言ったら多いが、しっかりした会社のケーキだけに、どれも美味しく頂けた。
 駅まで戻る。ここに併設のスーパーを覗いてみる。ジャガイモやら玉ネギやら。北海道産のよいものが安く買えるのでは期待していたのだけど、ジャガイモは意外と小粒。そしてそれほど安いわけでは無かった。玉ネギも愛知や横浜で見る値段とそれほど変わらない。
 魚は豊富で安い。刺身の盛りが横浜の2割増しで、値段は2割引みたいな勢いなのだが、魚を買って帰る訳には行かないのが極めて残念である。

 不発に終わった買い物を済ませると地下鉄でホテルに向かう。大通までは15分ほど。ホテルに戻ると16時過ぎ。鍵を受け取って部屋に入る。暖房が効き過ぎていて実に暑いが空調を暖房から冷房に切り替えるような気の効いた事は出来なかったので、空調を止めて窓を開ける。電車の走る音が聞こえてきた。真下が電車通りなのだった。
 2週前のバンコクが慌ただしい旅行だったので、今回はゆっくりしたい。ベットに転がるとついついうとうとしいてしまう。北の大地、秋の夕暮れは早い。17時前には薄暗くなり、そして真っ暗になる。


 19時を過ぎて再び出掛ける。今度は夕食。電車通りを大通りまで行き、さらに薄野まで。今度はジャケットを着てきたが、脱いでいてもあんまり問題にならなそうな過ごしやすい天候である。ネオンの中にみつけた気温の表示は18℃。

 薄野のショッピングセンターの中に入っている回転寿司の店に入る。こう行った店を見つけてくるのは、妻の役目で、今日の旅行、自分で考え自分で動くと言うことをあんまりしていない。実にお気楽な1泊2日となっている。



 回転寿司。定番メニューから聞いたことないような魚までいろいろと出てきて楽しい。それでいて値段は安価。2人で3,200円ぐらいだったか。

 帰りは電車で一駅、大通まで。そしてホテルへと歩く。夜になってさすがに肌寒いが、思ったよりは過ごしやすい。10月も後半になれば雪がふってもおかしくない札幌ではあるが、今年は穏やかに季節が進んでいるようだ。
 部屋に戻ってテレビなんぞを見ていると、横浜で過ごす週末とやっていることが変わらない。変わらないけど実は久しぶりの機会なので、若干、新鮮さはあった。
 日付が変わって就寝。暑いので窓は小さく開けておく。明日の朝、寒さで目が覚めるかも知れないが、その時はその時。