NH1163 JA710A B777-200 HND→GMP

 11時過ぎ。出発案内が流れてたので搭乗口に向かう。既に行列は短く、殆ど待たされず機内へ向かう事が出来る。
 
 待っていたのはJA710A。ビジネスクラス少々、エコノミークラスいっぱいと言う構成の機材。宛がわれた席はエコノミークラスの前の方。全体の様子は分からないが、たまに空席がある程度で結構埋まっている様子だ。
 
 ドアが閉まるまでは電子機器も使えるようになったから窓からの写真を一枚。本格的に国際化した羽田だが、この時間は金浦ゆきの出発ばかりが目立つ。国際線をバラックでやってた頃とあまり変わらない。
 11:26、Doorcloseとなり電子機器が使えなくなる。11:29にはPushbuck開始。定刻より若干早い程である。動き出した所で今日の機長さんやら先任乗務員の名前が告げられ、エマージェンシーデモが実演される。各座席にモニタがあってビデオを流せば事足りる筈だが、何故かそういう事をしている。
 11:33、Taixing。A滑走路を渡る時に着陸機をやり過ごす以外は順調に進んでゆく。まもなくたどり着いたのはB滑走路の南端。11:44、Takeoff RWy34R。
 空へと上がると窓の外、房総半島とその上にかかる雲が見て取れる。まもなく雲に入ったようで地上が見えなくなった。
 11:52、ベルト着用サインが消灯する。金浦到着は定刻の13:55を予定と案内され、天候が曇りで気温が25℃という情報が添えられる。
 
 雲の合間から街が見えている。一瞬滑走路が見えたのは横田だったか。西に向かうに従い、雲の割合が増えてきて、まもなく地上の様子は分からなくなる。
 まず紙のおしぼりが配られた後で、機内食のサービスが始まる。金浦までは2時間少々で到着。急がないとサービスが行き届かないかも知れない。前からワゴンが廻り始めたので、割と早いうちに順番がやってくる。出されたのは
 
 エコノミークラスの機内食を体現したような雰囲気のトレーが出てくる。メインは暖められているから立派なもの。2時間のフライトでこれだけのものを出せるなら、まぁ立派な方だと思う。
 食事を頂く間に二度三度、飛行機が揺れる。シートベルトを締めるように呼びかけがあり、機内サービスも一時見合わせとの事。
 数分で揺れが収まり、まもなく12:29、機長さんから飛行状況の案内が入る。現在、日本海上空に差し掛かっている所との事。この先、気流の状況は概ね良好と伝えられる。金浦到着は定刻より早く13:30を予定しているとの事。金浦の天候は曇りで気温は26℃と添えられた。
 
 2時間掛からないフライトはあっという間。12:54、あと40分で着陸と案内があり、免税品の販売はこれで終了となる。地上は見えないながらもどうやら韓国領内に差し掛かっている様子。高度を下げたようだ。雲の中に入ってゆく。耳の空気抜きが上手に出来ずに頭が痛くなる。ここ数日、天気が良かったり悪くなったり、冷房にやられたりで少々風邪っぽい。
 耳とアタマの違和感に苦しみながらそれでも高度は落ちてゆく。13:18、ベルト着用サイン点灯。金浦空港は撮影禁止と案内が告げる。真っ白な雲がずっと続いて続いて、地上が見えるときには、もう着陸直前。13:28、Geardown、RWy14L。思いっきり減速して誘導路へと入る。
 久しぶりの金浦。国内線ターミナルにはいわゆるLCC、Jeju AirやらJin Airやら、Eastar Jetやらの小さな期待が目立つ。そして国際線ターミナルへ。13:37、Spot in SP37。
 
 入国手続きも税関もスムーズ。14時を前にもう到着口に出てきた。ここにはツアー客を待ち受けるガイドさんやらなにやらが満ち満ちている。ターミナルから地下鉄駅へ向かう通路に向かうと途端に日本語が消えた。今日の搭乗客の大半はツアー客って事なんだろうか。
 
 今の東京から来るとあんまり違和感がないのだが、金浦空港の通路も絶賛節電中。薄暗い通路を歩いてゆくと5号線の改札、そして9号線と空港鉄道の改札がある。前回ソウルに来た時は9号線が開通してまもなくと言う時だったが、今度は仁川から金浦まで完成していた空港鉄道がソウル駅まで全面開通している。従来からの5号線と含めて、金浦空港からは都合3路線が利用可能となっている。
 今日は新しく出来た空港鉄道に乗って市内を目指す。ホームに下りるとまもなくソウル駅行きの普通列車が到着。今日はここから2号線と接続となる弘大入口まで。新線区間だが、仁川から金浦までの既存区間と同じような乗り具合で使われている。暫くの間、地下。そして地上に出る。霧のたちこめるソウル郊外が広がり、そして漢江を渡る。すぐ先が見えないような、そんな濃い霧である。
 有蓋車やホッパ車が大挙して群れる、そんな景色を横にして到着したのはデジタルメディアシティの駅。6号線、京義線接続。そして15分程度で乗り換えの弘大入口に到着となる。ここで2号線乗り換え。既存地下鉄駅に無理やり新しい地下鉄駅をつけたような構造だから、乗り換え居には若干の難がある。それでも明洞近くのホテルにチェックインし、部屋に入ってみるとまだ15時前。金浦の空港から1時間を切っている。これなら早いと言って良い。
 
 ホテルの窓から見える明洞の街も霧に溶けてゆくかのような雰囲気。どうやら滞在中、こんなはっきりしない天気が続くらしい。日本列島から押し出された梅雨前線が朝鮮半島に引っかかっているのかも知れない。
 アタマと耳に違和感が残るままで若干辛いが時間もそんなにないので出かける。6月の夕方。経度と子午線の関係でソウルの日暮れは遅い。まだしばらく明るいはずである。
 まずは歩いて鐘閣に出る。歩いていたら
 
 バイクが広告を載せて行進していた。渋谷辺りをトラックが意味無く走り回るよりはマシだと思うけど、目くそ鼻くその世界。こんな事は真似しなくてもいいのにと心から思う。
 
 鐘閣の交差点を馬車が行く。しばし唖然。 
 妙なものばっかり見てしまったが、鐘閣にある大きな本屋に。韓国に来たら実際に乗る乗らないに関わらず、時刻表だけは買っておくようにしている。売り場の並びが見直されてて迷ったが、無事手にする事が出来る。
 ついで鐘路の方へと歩く。二駅ほど歩いて妻の買い物にお付き合い。
 広蔵市場と言う所に出る。ここは100年続く市場だそうだ。
 
 
 衣類を売る隣に屋台があったりその雑然ぶりは横浜橋商店街のそのはるか虚空を行くようだ。物珍しいのは婚礼用の装飾菓子を売る店。韓服を売る店なんかも目を引く。
 だいぶ歩いて疲れを感じる。ちょっと休憩。ソウルの街、雨後の筍みたいコーヒーショップが出来ている。余り見なかったスターバックスもあちこちで見かけるようになったが、鐘路の界隈、意外とコーヒーショップが無い。何かあるだろとあちこち見渡して、道の反対側に一軒見つけて入る。
 
 個人経営らしい喫茶店で出てきたアメリカンコーヒーは確か4,000KRW。個人経営のお店のようでコーヒーを淹れたマスターは暇ができると専門誌(っーかCOFFEEなんて専門誌があるんだ)を熱心に読みふけっている。勉強熱心なのは結構だけど、コーヒーの味はもう少し研鑽が必要、、、、かなぁ。
 夕方18時を大きく廻る。そろそろ夕食の時間で、プランは幾つかある。全て魅力的だが、一つしか選べないのはちょっと悲しい。そのプランの中から行った事のない、新堂という街に出かける。地下鉄をちょこちょこ乗り継ぎ、2号線の新堂へ。
 
 駅からちょっと歩いた所、アーチの掛かる通りが通称トッポッキタウンと呼ばれる所になる。
 トッポッキ。よく屋台では見かけるけど、餅のコチュジャン炒めとでも言えばよい食べ物。基本的に屋台で食べるおやつなのだが、こちらはそのトッポッキが名物の店が並ぶ。街中のトッポッキとだいぶ様相が違うというのだが
 
 満席の店内。既に仕込まれた鍋がいくつも並ぶ。よほど回転がいいのだろう。少々待たされて空いた席に通される。基本中の基本らしいトッポッキ鍋の2人前を注文。
 
 まもなく材料のまま鍋が運ばれてくる。ここでこのまま火に掛けられて煮詰まるまでという体。暑い時には不向きだが、店内、冷房がガンガン効いているので鍋の熱さは今の所は気にならない。
 
 ひたすらかき混ぜ、煮詰めてゆくと屋台で見かけるようなトッポッキの色になってくる。実は食べごろが良く分からないのだけど、さすがにそろそろ良いだろうと口にしてみる。当たり前だがトッポッキの味になっている。辛くて美味しい。美味しいが少々辛過ぎるかも。
 2人前の鍋を2人で頂くのに辛さと熱さで大汗をかく。夏の食べ物ではなさそうだが、店にいる間じゅう、客足は途切れる事なかった。
 明洞のホテルへ地下鉄で戻る。妻はまだまだ物足りなさそうだが、自分は何だか疲れてしまった。一人ホテルの部屋で過ごすことにする。買ってきたビールがあまり喉を過ぎてゆかず、それで体調が悪い事に気が付く。恥辱もあんまり前に進まず、途中で投げ出す。ベットに横になると疲れがどっと出て来てそのまま眠ってしまう。