一日観光中

 普段一人で寝ている布団に二人。さすがに寝づらかったが外の道路が静かな事もあって比較的良く寝たようだ。朝が来る。連休二日目、ちょっとは観光みたいなことをする。
 一人なら適当に済ませる朝食だが、今日は観光。名物のモーニングサービスは外せない。一杯300円のコーヒーに付いてきたのは、

 このセット。想像以上に充実している。採算は大丈夫?心配してしまう程である。
 店の大きさの割に混んでいる喫茶店に30分少々。家に戻って身支度すると今度は出掛ける。近くの駅から乗った電車。30分少々揺られる。普段は乗る機会のない新鮮な景色を眺める。さらに電車を乗り継いで着いた先は

 瀬戸。陶器の街をちょっと散策する。
 天気予報に反して降り出しそうな空。今にも雨粒が落ちてきそうなので避難を兼ねて屋内の展示施設に逃げ込む事にした。入ったのは瀬戸蔵ミュージアム。瀬戸物と瀬戸の街をテーマにした博物館。入館してすぐに目に入ってくるのが

 なぜか電車。名鉄瀬戸線、というよりも瀬戸電気鉄道と言うべきなのだろうが、瀬戸電をテーマとしたコーナーがあってそれなりの場所を割いている。


 開業当時の駅舎を含めてしっかりと再現されているし、

 車内に入る事も出来る。想像以上に良く出来た施設。


 もちろん主眼は陶磁器の歴史だから力を入れているのは陶磁器の展示やその歴史。時代毎に並べられた瀬戸物の展示は圧巻で長い時間を掛けて発展してきた事や、原料である土を作り上げるまでに非常に手間を要する事が良く分かる。要所要所で放映されるビデオをしっかり見ていると1時間以上は掛かる。結構見ごたえがある。

この模様、どうしたらこんな形に出来るのか不思議でならなかったが後になって、型枠がある事が分かった。なるほどと思う。
 充実した展示を眺め、街に出る。もう1時を大きく廻っている。さすがにお昼ご飯を食べたい。先ほどの瀬戸蔵ミュージアムで貰ったパンフレットには瀬戸の名物として、
「鰻」
「五目飯」
「焼きそば」
 とある。鰻と五目飯、こちらの言い方でごも飯は窯業に関わる人の栄養補給に食べられてきたものだとか。それに焼きそば。最近はあちこちのB級グルメで焼きそばを目にするけど、瀬戸の焼きそばは今まで全く知らなかった。
 適当に歩いてゆくと焼きそばの幟が見えたから入ってみる。結構賑わっている。メニューの中に焼きそばと五目飯のセットがあったから頼んでみた。

 焼きそばに五目御飯。赤だしに漬物がついて¥700。
 
 焼きそばは細い麺。醤油ベースの味が目新しい。一気に引き込まれる訳ではなかったけど、焼きそば文化の奥深さを認識させる一品。
 折角なので家で使う陶器の類を少し買ってゆく。意外と安くてこの値段で素性のはっきりした食器が買えるのなら100円ショップはいらないなぁと感心する。
 
瀬戸からは栄まで直通の電車が出ている。運よく急行に乗れたら30分ほどで運ばれる。新宿から高幡、あるいは渋谷から横浜ぐらいの時間だが、そんなに遠い感じはしない。いつの間にか都会に運ばれていた感がある。土地勘の無いところの地下街に突然放り出されて、何かお上りさんになったような、そんな感覚だ。
 
 テレビ塔に公園。何か札幌の街に出たような感じだがここが名古屋の栄。10年近く愛知県には出張で通っているけど栄には殆ど縁が無い。初めての土地と言ってもいいけど今日も乗り換えで通るだけである。
 
 地下鉄に乗る。改札の横の切符売り場、ICカードのチャージ機ばかりが目立ち、切符の券売機は5台中2台。券売機にだけ行列が出来ている。スイカパスモが普及した東京圏もここまで露骨に券売機を減らした所は無いと思う。強引にICカードへの誘導を謀っているけど、こちらとしては沢山交通系ICカードを持っても仕方ないし、手を出しかねている。不便で仕方が無い。
 地下鉄を乗り継いで今日はホテルへ。ひとまずチェックインする。
 
 ホテル側で気を利かせてくれたのか城が見える側の部屋にして貰えたのだけど、天気は冴えないままである。ちょっと勿体無い。
 ここまでの恥辱をまとめていると夕方になる。食事に出掛けようとホテルの出すバスで名駅へと向かう。名古屋駅の地下街。結構食事を出来るところがあるのだが、有名な店は軒並み大行列が出来ている。並んで食べるだけの元気は無かったからかなり適当なお店に入る。


 みそカツときしめんのセット。ゴールデンウィークのセールとかで若干お安い¥980。昨日の台湾ラーメンに今朝の喫茶店モーニングと名古屋飯を楽しむ一日となる。
 再びホテルのバスで部屋に戻る。すっかり夜も暗くなり、名古屋城はライトアップ中。60Hz地帯なのでこの辺りは節電でどうの、と言う事無く継続中である。

 復元の城ではありますが、綺麗なものです。
 お休みの二日目。何か日曜日の晩のような勘違いをしそうだが今日は土曜日の夜。横浜の自宅に居る時と同じようなテレビ番組を見ているうちに眠くなる。昨日と変わって広々としたしたベットに沈み込む。