弾丸トラベル中


結局よく寝た。外が明るくなって8時。ようやく起き出した。現地時間で日曜日の朝である。よく晴れている。
 丸一日時間を費やせるのは今日だけである。自分には特に要望はないけど妻にはいろいろと希望がある。そして日曜日は営業時間が短い所も多いから、出かける前にいろいろとチェックしておおよその廻り方だけは詰めておく。準備をしている間になんだかんだと10時近くになった。まずは近所にあるRoss Dress for Lessというアウトレット店に。朝食を食べてからのつもりだったが、時間が予定よりずれ込んだのと、昼食の時間と接近したから朝抜きとする。
 Ross Dress for Lessでの制限時間は一時間、なんて書くと弾丸トラベラーみたいな雰囲気になるが実際、後が詰まっているので仕方がない。結局自宅用に食器やら自分のカードケース。妻の衣類を少々で腕時計のアラームが鳴る。「時間に限りがあります」と。
 荷物を持って歩き回るのは大変なので一旦ホテルの部屋に買い物を放り込むと今回のホノルルでは初めてワイキキの方へと足を伸ばす。前回はワイキキからアラモアナへと足を伸ばしたが今回は逆。
 12時からレストランの予約をしていて、まぁ間に合わなくても文句は言われないのだろうけど日本人的には時間に間に合わないのは悪い気がする。JCBカードを持っていればただで乗れるトロリーと、公共交通機関である有料のThe BUS、そしてタクシーを秤に掛けて

 目に飛び込んだバスに乗った。8系統はアラモアナとワイキキの間を行き来する短い系統。乗ってしまえばさほどの距離でなく目的のホテルに一番近そうなアメリカ陸軍博物館の前で降りる。予約の15分前ほど。これらな楽勝で間に合う。

 アメリカの戦車と日本の軽戦車が仲良く並べられた博物館を前にちょっと歩く。ハレクラニホテルと言う中のレストランを妻が予約してくれている。Tシャツ不許可なのて聞かされていたから今日はそのためだけに襟付きのシャツを着ている。

 常夏の島もホリデーシーズン。青空にクリスマスの飾りつけは妙な感じだけど、でもどこに行ってもこの飾りつけは目立つ。先ほどのRoss Dress for Lessでもクリスマス用の飾りつけやプレゼントがそれこそ所狭しと並んでいた。
 予約の時間のぴったりに到着。席の通される。ここまでは予定通りで順調そのもの。片言の日本語が出来る店員さんが面倒を見てくれた。この街、どこに行っても日本語だけで何とかやっていける。
 ブランチブッフェの時間なので飲み物だけ出してもらうとあとはお好きなものをお好きなようにの世界。

 アヒやら何やら、海に囲まれたハワイは魚は新鮮で豊富。和風の刺身も姿が見える。

 欧米系の食文化も当然あるからお肉の文化も。ちょっとしたローストビーフもまるでビーフステーキ状態。
 ゆっくり少しづつ頂く間に満席になる。観光客7割、そのうちの半分は日本人かなあ。地元の人なのかアメリカ本土からの観光客なのか、見事に山のような方もいらっしゃる。給仕しているほうも東洋系のやせた人とポリネシア系のでっぷりな方が半々ぐらい。
 1時間ほど滞在。最後にデザートを頂くとコーヒーが注がれる。ゆっくり楽しみ、そろそろお暇する。お代は税込みで大凡一人60USD。以前はもっと安かったそうだ。円高の分だけ値上がった所か。1995年以来の円高と言われているけど、日本の物価がほとんど変わっていないのに対して諸外国は大よそ30%は物価が上昇しているそうで、確かにこちらの値段を日本円で考えても、あんまりお得感はない。逆に言うと日本のいわゆる失われた10年、何か20年になりそうな勢いではあるけれど、の間に日本では企業や店舗がどれほどかの努力で物の値段を上げずに消費者を引きつけようとしたのかが分かる。昨夜みたテレビ、日本語版ローカルニュースでクリスマス商戦の値下げ合戦みたいな話題をやっていたが、アメリカも同じ道を辿るのかなと漠然と考えた。
 さて、外に出れば世界の観光の中心、ワイキキである。深刻さも何の陰もない。どこまでも明るい街を闊歩してみる。海と空の色は変わらないっからねえ。

 ビーチに出てみた。涼しいぐらいの天気だから海に入ろうと言う気にはなれないけど結構入っている人がいる。日本人は、みんな波打ち際までですねえ。まあビーチサンダルすら持ってくるのを忘れて革靴でワイキキを歩いている自分は波打ち際にすら立てず、この写真も砂浜にあった船着き場のような石垣の上から撮っている訳ですが。

 砂浜の奥まった所にあるデューク・カハナモクの像に挨拶をしてからワイキキの海岸沿い、通りを戻る。弾丸の割にはのんびりだが、この部分が今日の計画、出来が悪いところ。ある店の開店待ちなのである。どうしても時間が潰れなくてJCBプラザで若干の時間調整。軽く恥辱を進めておく。
 さてもう一つ買い物の後、いったんアラモアナに戻る。今度はJCBカードを持っていれば支えるトロリーと言う名のバスに乗る。開放感に溢れるトロリーの車窓にワイキキの街が流れてゆく。ワイキキを外れると間もなくアラモアナ。

 バス降り場はショッピングセンターの前。ちょっと買い物を片付けるとホテルに戻る。

 もう夕方。西の空、いつの間にか雲が広がっていて、その間から深紅の空が顔を覗かせていた。そして瞬く間に空は暗くなる。秋の夕日は釣瓶落とし。そんな言葉を南国ハワイで思い出した。
 さて、最後も買い物である。アラモアナ近くにはあるEveryday Low priceのウォルマート


炊飯器が売ってた。ハワイは結構米食だから需要があるに違いない。ここに置いていたのは超が付くほどの廉価版だが、日本で見かけるような多機能製品も売っている。
 自宅使い用の食材にお土産用のお菓子やらを買い求める。 あっと言う間に大荷物となる。これ詰めなきゃならんのだねぇと買った後でちょっと悩む。とりあえずこれ、ホテルに置いてこないと話にならない。

 荷物を置くとまもなく20時近く。日曜日の夜。この周辺に限らないのだろうけど、日曜日だけは店も飲食店も概ね閉まるのが早い。アラモアナのショッピングセンターはレストラン街も含めて19時でおしまい。20時ともなると、この界隈、先ほどのウォルマートとかファーストフードとかそんな店しか空いていなかったりする。そんな中でタイ料理の店が空いていたから入ることにする。内装が中華風だったり、店員の交わす言葉がどこの物か判別付かなかったり不思議な感じだが、とにかく夕食に二人で三品、シェアして頂く。

 生春巻きを頂いた。間違いようがないのかごくごく普通。

 レッドカレー。辛いと言うより塩辛い。ちょっと違和感を覚える。

 パッタイを頂いた。今度は甘い。
 不思議なことにタイ料理店につきものの4点セット、砂糖、ナンプラー、唐辛子の酢漬け、粉唐辛子の調味料がないので味を調えようがない。見てくれはタイ料理なのに不思議な不思議な味付けの食べ物を最後の最後に頂くこととなる。
 この店も21時で閉店だったようで最後の客となる。人通りの少なくなったアラモアナをホテルへ引き返す。明日はもう帰国日。無理矢理捻りだした4連休だから短いのは仕方ないが、やはり慌ただしい。ホテルに戻ると買い物をスーツケースに詰める作業が待っている。買った衣類は別に持ち帰る事にして雑多な食料品やらお土産やらでスーツケースがめい一杯になった。重さが倍になったんじゃないかと思うほどだ。
 明日は慌ただしいから早々に寝るつもりが24時近くになる。さすがに眠い。時差ボケを解消できたとたんに帰国になる。どうしたものかと思いつつも、お休みなさい。