18きっぷでことりっぷ

 頭がずんと重たい朝が来る。自宅のベット、午前6時。昨日、どうやって帰ったっけと考えても思い出せない。飲み会の途中ぐらいから前後不覚になっている。ここまで酷いのは珍しい。
 起きあがって朝食は食べたものの、いまいち調子が出ない。重度の二日酔。今日が平日だったなら会社を休むところだ。ベットでごろり、横になる。
 今日は二人で出掛ける予定にしていて、延期してしまえという気分も半分ぐらいはあったのだけど、結局動くことにした。荷物少々、18きっぷを携えて。7月に五能線で使った18きっぷがまだ3日分残っている。

 5運用、814編成から湘南新宿。恵比寿で座れる。まだ酒が残っている感じでぐったりと座って行く。大宮を過ぎ、蓮田あたりから寝に入る。小山で目覚めるとしゃんとした。どうやら酒が抜けたようだが、今日は控えた方がいいいだろうなあ。

 小金井行きを小山で捨てて両毛線に乗り換える。無人駅に止まったときの鄙びた様子が妙に懐かしい。こういう電車に乗るの、久しぶりだという事に気が付く。30分ほど揺られて佐野で下車。ホームに降りると重たいとしか言いようが無い熱気に包まれる。横浜も暑いが、佐野の暑さ、北関東全体に共通しているのかも知れないけど、この暑さは別格であり、異常だ。
 佐野と言えば厄除け大師、ラーメン、アウトレットなんて辺りが有名なのだろうが、今日の目的は耳うどんなる食べ物。数ヶ月前にJALの機内誌で掲載されていて初めて知ったのだが、それを食べに来た。11時を過ぎたぐらいだが、朝食は軽かったし、もう目的の店に入ってしまう事にする。クルマばかりで歩く人の姿がない街を5〜6分だろうか。目的の店が現れた。

野村屋本店
 割と狭い店。昼食には少々早いが先客が数組。みんな蕎麦を食べている。本来は蕎麦の店なのかも知れない。目的の耳うどんも勿論メニューにはある。暑い最中に何だが耳うどん、¥740也を注文。待つことしばし、その間にもお客さんが一組、また一組。帰る客はお土産に生蕎麦を所望している。持ち帰りたくなるほど美味しいらしい。

 耳うどんが運ばれる。醤油仕立ての汁に具沢山の中身。華やかなうどんだ。本来は正月料理なのだそうだ。確かにそんな嬉しさがある。

 これが耳うどん。麺の境界線上ギリギリなのかなぁ。ちょっと形を変えればすいとんになりそうだし。何かお雑煮を食べている気分にもなる。
 美味しく頂いて駅へと戻る。相変わらず刺すような日差しで汗が吹き出る。1時間少々の滞在。12時半の電車で次に向かう。ただ、この電車、桐生止まり。桐生で降りるつもりは余り無かったけど、まぁ、良い。

 115系のボックスに揺られる。中途半端な時間なのか極め付けに空いていて、暑い盛りの北関東を眺めつつ涼しく運ばれて行く。
 桐生に13時過ぎ。一番暑い時間帯。せっかく出来た時間なので桐生で群馬名物焼きまんじゅうを食べて行くことにした。予定外なので店の場所、しっかりと調べた訳で無いが、駅から少々距離がある事だけは知っている。観光案内所があったから確認の意味も込めて聞いてみた。「歩くのはちょっと距離があるので‥」なんてお答え。場所だけは確認出来たからこちらとしては歩くつもりだ。
 両毛線の高架に沿ってゆく。高架の陰を歩けるから、暑い割には楽だ。15分弱ぐらい歩いただろうか。

 ガスタンクの先に目指す店がある。この暑い盛りに焼きまんじゅうなんて食べる人、いないのか火が落ちている。

 その場で食べて行く用に一串焼いてもらいお土産用を併せて準備して貰う。初めてあんこ入りを食べたが甘さ控えめで味噌タレとの相性も良い。ウチの餡は評判が良くて前橋や高崎からも買いに来るお客さんがいると店の主人。
 歩いて駅へと戻る。少々長居してしまったようで乗れると思っていた14:08の電車。目の前で行かれてしまった。次は14:54。暑いホームで待つ気にはなれず、時間もあるから上毛電鉄、西桐生の駅を見に行ってみた。
 電車の到着は14:37。外から写真を撮ろうとしたら駅員さん、中でどうぞと仰る。

 ありがたく撮らせてもらいお礼に入場券を1枚購入。増収に協力、と言うことになるのだろうか。

 出発まで見送る時間は無いので桐生の駅に戻る。高崎まで出て高崎線に乗る。快速は無く残念ながら普通列車。一駅一駅止まって行くことになる。後で調べたら小山に戻って東北線の方が20分ほど早かった、らしい。
 今日は帰りに妻の実家に寄る約束をしている。武蔵野線に乗り換える事になるが、大宮で降りて埼京線か、浦和で降りて京浜東北線か。迷うところだ。大宮も武蔵浦和も乗り換えの距離があるから、浦和まで行って一駅、京浜東北線にするつもりが、裏目になる。
 妙な所で速度が緩み、そして止まる。浦和の手前、高架になりかける所だ。案内がある。「この先を行く電車が異音を感じて止まっております。尾久、赤羽、浦和にてそれぞれ先行する電車が止まっているため、この電車も停車しております」と。人身じゃなきゃ、良いけどなぁ。
 繰り返し「ドアを開けて外に出ないでくれ」と案内。下りの東北線京浜東北線はそれぞれ動いている様子。確かにここでドア開け、線路内人立ち入りがあったらまた混乱するだけだからなぁ。
 大宮かさいたま新都心に停まっている時に緊急信号だったらまだマシだったのだが、待つことしばし。車内、騒ぐ人がいない代わりに希望的な空気も感じられない。
 置き石と判明して電車が動き出す。20分近く遅れて浦和到着。東北線の電車、後から後から数珠繋ぎでやってくる。京浜東北線の下り電車は上野辺りで抑止を喰らったようで、暫く玉切れ様子。

 上り電車はE233系、115編成で一駅。さらに武蔵野線。最初考えていたよりだいぶ遅くなってしまい、先方には迷惑を掛けてしまった。
 時間的に夕食をたかりに行ったみたいで申し訳ないのだが、娘がたまに顔を出すのは親御さんとしても嬉しいらしい。喜んで貰えたようで寄り道して良かった。
 帰りは東上線の駅に出る。池袋に出るのに二本連続で有楽町線直通なんて状況。どうも今日は電車運が無いねぇ何て話しながら急行を待つとやってきたのが、


 TJライナー用50090系。通勤仕様だとロングシートになるのか。本来7人掛けのスペースを6人で座る訳だからゆったりしている。背もたれもしっかりしている。硬めだが、E231のような冷たい硬めではなく、しっかり受け止めてくれる感じの硬め。京急2100型よりも座席だけは嬉しいかもしれない。京王にもこんな電車、欲しいよねと思ってしまう。
 池袋に出て湘南新宿。すでに夕方の混乱は落ち着いていて、定刻で来た逗子ゆきに二人で揺られる。新宿で座れると疲れが出てきて暫くzzz。
 乗り継ぎに恵まれなかったことりっぷ。最後もケチが付き、特急と快特、2本見送ってやってきたのは

 23運用、811編成。自宅に着くと妻の実家を出てから2時間が経っている。神奈川と埼玉、決して遠くない筈だが、行き来は楽じゃないなぁ。