JL402 JA737J B777-300ER LHR→NRT その2

 再び目覚める。2時間ほど寝ていたようだ。ブラインドを開ける。まだ外は暗い。オーロラが見えるかと目を凝らしてみる。暗闇の中、よく分からないまま諦める。シートの上、軽く寝返りが打てる事に気づいて身を横にする。シートが半分冷えるから心地よくなる。もう少しうとうと。

 機内は暗いがブラインドを開けると朝の世界が始まる。飛行機は確実に東へと歩みを進めており、既にシベリアの大雪原、中程まで来ている。次第に地上の様子もはっきりしてくる。手元の時計は2時半過ぎ。日本時間に換算するともうすぐお昼。洗面台まで立ってみると機内、寝静まっているようで意外と動きがある。食事をしている人がいたり。あと4時間少々で成田ならば、そろそろ行動を起こした方が良いのかも知れない。

 バーコーナーをちらっと。箸置きの鶴がディスプレイに使われている。こういう遊び心を失わない事は良いことだ。席に戻ってから、自分もと思ってちょっと食事を。

 中華丼。レトルトであろうが、空の上の気分転換としては上出来。気持ちよく平らげる。
 少々の眠気はあるが、今寝てしまうと日本に帰ってからが辛い。ここは我慢すべしと映画を見ることにする。映画を見つつ、恥辱も少々進めておく。外の景色もたまに気になるから、眠気を感じる暇は無くなる。

 外は穏やかに続く大雪原。上空から見ている分には緩やかに続く白い山々。ヨーロッパの陰気な冬を、垣間見てきた眼には燦々と明るいシベリアの白い大地は能天気にさえ思えてくる。虚空からの感想ではあるけれど。
 5:09、ずっと真っ暗だった機内が少し明るくなる。なるほど、今、この時間がロンドンにとっては朝の時間帯。目覚めるに相応しい頃合いのようだ。外は明るいからついつい勘違いしていた。まだ白い大地が続いているけど、成田までは順調ならあと2時間の筈。

 そして長かっシベリアがついに途切れる時がやって来た。白い大地に果てがあってそこからは海となる。そろそろフライトも終わりが見えてくる。最後に一つ、何か食べようきつねうどんをお願いする。

 冷凍を戻しているのだろうけど、まぁ美味しく頂ける。 うどんを頂いている間に日本海には雲が沸き上がる。次に地上が見える時にはもう着陸間近であるに違いない。
 6:00ちょうど。久しぶりに案内が流れた。現在の時刻は日本時間で15:00ちょうど。あと1時間で着陸するとのこと。成田の天候は曇り出来音は17℃だそうだ。時計をここで日本時間に合わせる。

 日本海を南東へと下り続ける。目印は外になにも見えないから位置はマップの表示で知るのみ。日本海を渡り切る頃だろうか、15:21、案内。本日は着陸に際して揺れが予想されるそうだ。20分後にはベルト着用サインが点灯するとのこと。まもなくコート類の返却が始まる。そろそろ手元に出していた荷物の類を元の荷棚に仕舞い込むことにする。

 席に落ち着き外を眺める。雲の合間に地上が見えている。白い大地。黒い点々が見えるのは人家か、或いはちょとした木々なのか。会津のあたりだろうと見当をつける。ずっと見えてたシベリアには感じなかった人の営みが垣間見えたようにも思える。高度を下げてきたのか、空のペットボトルが凹んでくる。少々の揺れ、15:39、ベルト着用サイン点灯。電子機器使用NGとなる。20分後に着陸とのこと。雲が迫り、また揺れる。雲が迫り、突っ込むかなと思ってみていると離れてゆく、突っ込むかなと思うとまた離れてゆく。その度に揺れる。揺れる。そして雲に突っ込みまた揺れる。窓の外は真っ白になる。Geardownの感触。時計を見ると16:02、少々着陸が遅れている様子。初めて地上が見て取れる。16:07、Landing、RWy34L。長々と誘導路を進んでいってさてどこへ行くのだろうと眺めているとサテライト側へ、16:20、Spot in SP 85。

 長いと思っていた旅行もあっけなく終わる。正直、もう一日か二日、ロンドンでもブリュッセルでも滞在していたかった。いつの間にか膨れたお土産を抱えて降機する。いつの間にかというのは嘘でブリュッセルとヒースローの空港で買った免税品に機内で買った免税品。一抱えになってしまった。入国審査から荷物受け取り。ヒースロー乗り継ぎで心配していた荷物は無事受け取る事が出来る。大荷物になったから初めてカートを使って2人分の荷物を。税関検査を受けてさて、日本国内へ。時刻は16:40過ぎ、まずは順調。

 スーツケースの宅配サービスを予約してきたから大荷物の大半は預けることが出来る。手続きを取ってスーツケースを預けても、荷物は、少なくはない。次にリムジンバスの予約。急げば17時のバスに乗れるが、あまり慌てたくないから次のにする。本数の多いYCAT行きだから余り時間を気にしなくて良いのはありがたい。売店に千葉駅万葉軒の駅弁が並ぶのが目に入り、何となく一つ買っておく。機内でそれなりに食べた筈だけど、何となく小腹が減っている。バス停に並ぶとちょうど10分前のバスがでて行くところ。

 5分毎に動き出すバスをもう1本見送ってから予約していたバスに乗る。第一ターミナルへと回り込んでもさほどお客さんは増えない。概ね4割程度で横浜に向かう。

【今日の駅弁】落花生ソース元気豚カツサンド  ¥550 株式会社万葉軒


 千葉県産の落花生をソースにしたカツサンド。甘さ控えめなので意外と自己主張しておらず、まぁ、合っている感じがする。

 バスは暗くなった高速道路をひた走り出す。なぜか急にどっと疲れが出てきて、ここに来て爆睡。眠らずに家に帰れたら時差ボケ解消になると思っていたのだけど仕方がない。気がついたら鶴見つばさ橋を渡っているからたっぷり一時間は寝ている事になる。
 18:40ぐらいだったろうか、YCAT到着。西口の地下鉄まで歩くのも大変だし、東口からバスで帰ろうと考える。でもリムジンバスの目の前を港61系統が走って行くのが見えた。あれに乗れたら最寄りのバス停まで直行なのだけど、ちょっとタイミングが悪いなぁ。
 横浜駅東口のバスターミナルから自宅近辺へはいろいろな系統が考えられるのだけど、ちょっと手前で右曲がったり、左に行ったりですぐそばのバス停まで行ってくれるのは毎時2本程度。そのうちに1本に目の前で行かれてしまった。20分待つと江ノ電の栗木ゆきがあるが、
 目の前には横44系統やら110系統やらがいる。待つより歩くか、と横44系統を。桜木町から関内を通るルートは横浜の近代建築群をなぞるルート。エキゾチックな風景ではあるけど、ロンドンやブリュッセルを見てきたばかりの眼には中途半端に映ってしまう。帰宅ラッシュで混雑するバス。お客さんが降り始めると、地下鉄の吉野町駅前。ここからバスは南太田にいってしまうので下車する。まぁ十分歩ける範囲。自宅へと歩いていると思いっきり江ノ電バスに抜かれた。神奈中が桜木町から関内と遠回りしている間に、江ノ電日ノ出町をショートカットしてきたようだ。これは覚えておかねば。
 一週間ぶりに帰宅。先週は準備でバタバタしていたちょうどその時間帯。荷ほどきは明日改めてすることにして今日は就寝。

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