9列車の旅

 ワゴンの積み込みが終わったのか、ようやく列車が動き出す。時刻は9:24ごろ。大よそ1時間遅れである。雨の中、構内がゆっくり流れてゆく。同じような気動車や客車の中に混じって14系の姿も見えた。
 列車はバンコクの市内をゆっくり動いてゆく。どこでもそうかもしれないけど完全な裏町が姿を見せる。時々信号停止。雨が窓を打つ。また動き出すと昨日通りかかった踏切がゆっくり過ぎていった。
 検札が廻ってくる。グレーの制服を着た男性の車掌。それ以外に女性乗務員がいて各車一人ずつ専属で付いている様子。さらに青色の制服を着た若い男性もいて掃除やら雑務をこなしている。3両編成の割には乗務員が多いけど、そう思えてしまうのは日本の省力化列車に慣れたからかもしれない。
 バンコクの市内、割と小まめに列車は停まる。その度にお客さんが乗ってきて、座席が一通り埋まる。40分ほど経つと車窓を空港が流れる。ドンムアンの空港だ。列車も停まる。ドンムアン駅。ここで乗客が揃ったようで、ワゴンサービスが始まった。
 
 女性乗務員がワゴンを持って車内を廻る。様子を見ているとオレンジジュースが一番人気。それ以外にミネラルウォーターとコーラ。コーヒーに紅茶もあるようだ。
 
 渡されたセット。ドリンクだけでなく、パンとケーキも付いてくる。砂糖の袋を二つ渡されたけど世界的にはこれが標準なんでしょうかねぇ。
 
 バンコク市街を離れた後はひたすら平坦な景色が続いている。何処まで行っても平坦な景色。幸い雨はやんだけど曇り空。そんな中を9列車は恐らく80〜90km/hぐらいの速度で走ってゆく。女性乗務員が先ほどサービスされたセットを回収してゆき、若い男性乗務員見習が床をモップで拭いて廻る。車内禁煙に耐えかねた外国人観光客が車両の間の渡りで煙草を吹かしたり。
 久し振りに速度が緩んで駅に停まる。
 
 アユタヤの駅。時刻は10:40。遅れをそのまま引きずっている。と言うより遅れが増幅していないだけ優秀なのかもしれない。乗客は少々入れ替わりがあったけどほぼ満席のまま。1分ほどの短い停車で列車はエンジンを吹かし再び北上を再開。
 車内の空気が弛緩している。何となく眠くなりzzzzz。途中、どこかで何かを叩く音がして目覚める。列車が停まっているようで何かの点検かと思うけど、再びzzz。次に目覚めたらまもなくこちらの時間で12時になるところ。まだ平坦な景色が続いている所だけど、車内には変化がおきていた。
 女性の乗務員が再びワゴンと一緒に車内巡回。出されたのは
 
 お昼の御弁当。手にすると暖かく電子レンジで暖められたようだ。「Fish socuse」だと渡された小袋はナンプラーだったりする。屋台よりは美味しくないけどそんな味噌糞に言うほどでもない御弁当を頂くと再び眠くなる。折角、異国の列車に乗ったのに眠ってばかりでは難なので、少々車内見学。
 
 車両と車両のつなぎ目。幌は無いけど転落防止の柵は一応付いている。つなぎ目のドアは自動ドア。人が近づくと自動的に開け閉めするようになっている。鉄道の係員とか、煙草を吸う客で結構賑やか。車内は禁煙で罰則として罰金2,000バーツなんてルールもあるようですが、つなぎ目で吸う分には構わないようです。
 
 和式トイレ、では無くタイ式トイレ。シャワーのようなものが見えていますけど、基本的にタイでは紙で拭くのではなく、水で洗い流す流儀だそうで。タイ式のトイレの他に洋式トイレもありますが、同じようにシャワーは付いてました。紙もありましたけどね。
 途中駅の通過時間を照らし合わせていると、何時の間にか遅れが広がっている。どうやら1時間半遅延。このままだと定刻なら13:09に到着するはずのピサッヌロークには14時半前後の到着になりそう。
 ずっと平坦だったタイの大地に起伏が見られるようなる。北部に差し掛かったようだ。遠くに山を眺めながらしばし。
 
 女性乗務員が車内にピサッヌローク到着を告げて廻る。私達の所には英語で。車内がざわつき降り支度をする人も何人か。速度が緩むと大きな構内が現れてピサッヌローク到着。時刻は14:35。ほぼ1時間半遅れとなる。
 ピサッヌロークは鉄道の拠点の様子。乗客が降りても中々出発しないので何かと思ったら
 
 屋根に人が。給水中のようで各車両を廻った後に器用に地上に降りてくる。まだまだ停まっているようなので
 
 改めて列車を眺めたり。この気動車、韓国の大宇製ですね。ふ〜ん。
 
 隣のホームには先行列車が退避中。時刻表と照らし合わせるとファランポーン7:00発の111列車と分かります。こちらはここまでほぼ定刻で運転してきた様子。
 列車の旅はピサッヌロークまで。ここから今日の目的地。スコータイまでの大よそ50kmはバスでの移動。それならバンコクからバスで行くと言う方法があり、一日30本ほどが所要7時間程度で運転されているようですけど、今日は鉄ヲタな私のために鉄道を選んでくれた、そうで。
 穏やかな空気が流れるピサッヌロークの駅前。
 
 やはり駅舎には国王陛下の肖像画。 ここでも一日二回、直立不動の光景が展開されるのでしょうか。
 
 そして、駅前のロータリーに保存SLがどんと構えます。鉄道の要所なのかもしれません。
 スコータイへ向かうバスは市街からはちょっと離れたバスターミナルが起点。駅の近くは通りますが、それでも少々距離があるので、駅前にいるトゥクトゥクに連れて行ってもらいます。こちらのは軽トラックの荷台に座席をつけたような雰囲気のトゥクトゥク
 
 バス停までは70バーツ。少々荒い運転で5分ほどの短い旅。
 売店なんかもあって小さなターミナルといった趣きのバス停。時刻は出ておらずさてと思うけど、待つほど無くバスが現れる。スコータイ行きの2等エアコンバスだ。乗り込んでみたけど既に満席。一番後ろにはお坊さんが並び、後は地元のお客さんだろうか。
 通路に立っての道中となる。切符は車掌さんから購入。片言の日本語が出来るって事は観光路線なのだろう。スコータイまでは一人41バーツ。ピッサヌロークの市内でもう1箇所2箇所停まると幹線道路をひたすら飛ばす旅。立っていると外は見えない。その代わり前の方は良く見える。フロントガラスにはハローキティのシール。マスコットもフロントを彩る。
 20〜30分ほど走ると降りるお客さんもちらほら。途中で座れる。
 
 
 16時ちょっと前。市街地の外れにあるスコータイのバスターミナルへ到着。ここから市内へは乗合のソンテオに乗るか、トゥクトゥクに乗る必要がある。荷物を出して貰う間に、その乗合ソンテオのおじさんが近寄ってくる。「今日の宿は決めたのか」とカラー写真つきのパンフレットを見せてくれながら。今日からの宿はこちらで取る予定だったので、とりあえずオススメの宿を見せてもらって、それで決めるもの良い。ひとまず連れて行ってもらう。
 
 ピックアップトラックを改造したような、10人ほど乗れる乗合スンテオに家族4人。揺られる事しばし、旧市街の表通りを1本入った奥にあるゲストハウスへ。一人が部屋を見せてもらっている間に、スンテオのおじさん、明日の売り込みを始める。旧市街の遺跡の見学、所要4時間で一人200バーツ、どうだと。正直相場が分からないので判断しようが無いけど、いい加減歳の両親を連れての遺跡見学。貸し自転車と言うわけにもいかず、800バーツなら有りなのかもしれない。結局翌朝10時に来てもらう事でお願いした。宿もこちらでOKって事で、その分の紹介料も彼の懐に入るのかな。
 今日から3日間、宿泊するのはJ&Jゲストハウスという所。ツインのバンガローが一部屋素泊まりで800バーツ。
 
 部屋に落ち着く。窓を開け放つと心地よい風が流れて行き、これならエアコンは要らない。
 しばらく部屋でゆっくりした後、とりあえず市街地に出てみた。
 
 川沿いにあるゲストハウスから少々歩くと
 
 スコータイの表通りに。屋台がいろいろ並んでいる。銀行やネットカフェも。
 何となく市街地にある食堂へ。ひとまず
 
 ビールを頂く。
 
 天井にはファンが廻って涼しげな風を送り込んでくれる。
 
 軽く食事も。
 
 暑いのでビールをつい、もう一本。
 少々食事を摘んでゲストハウスに戻る。途中の店で缶ビールを買ったら、コンビニで25バーツだったビールが22バーツ。結構安くなるもの。
 
 部屋に戻るとちょうど夕陽が沈んで行くところでした。
 テラスでしばらく休憩。
 
 こんな雰囲気。風も本当に心地よく、変なホテルに泊まるよりはずっと良い選択だったとしみじみ。
 最後に、一応、夕食を。先程はしっかり食べたわけでないので。
 
 グリーンカレー
 
 イエローカレー
 食事の後、ビールの買出しに。表通りに出る前に雑貨屋があったのでビールを4本買ってみると、1本20バーツ。コンビニよりも5バーツ安くなりました。チャンビアって一体、定価は何バーツ?
 部屋に戻って恥辱を少々纏めるとまもなく日本時間の24時。朝が早かったせいか、流石に眠くなりしこちらの時間で考えると少々早いですが、寝てしまう事にします。