【今日の駅弁】花咲かにめし ¥1,000 株式会社釧祥館


 カニイクラがたっぷりの駅弁。カニの質は昨日食べたカニに比べてば落ちるけど。まぁ今さっきまで生きてたカニと比べるほうが悪いのであり、この駅弁のカニも十分美味しい。それにカニの身やイクラの量が多いのも嬉しい。
 食べ終わる頃には列車出発。「次はあっとこ」と案内が流れた。動き出すと昨晩のホテルが流れて右へとカーブ。団地やら一戸建ての家やらがごみごみと建っている辺り、東根室の駅を過ぎるとだんだん牧草地とも荒野とも点かない荒れた大地が目立つようになる。
 ちょうど電話が掛かってきてデッキにでたのだけど

 列車はレールの沿って、右へ左へ荒野の中を。

 車窓左手に広がる太平洋も荒々しく。太平洋の眺めはバスからでは見えませぬ。

 列車は忘れた頃に現れる小さな駅を無視し無視して走ってゆく。一度降りたことのある落石の駅にも停まらない。
 40分少々。随分と走ってようやく停まる駅が厚床

 自分の他に1人降りて3人乗って。列車は釧路へ向かう。このまま乗っていると釧路のは13時。列車を乗り換えて札幌には17時に着く。根室から札幌まで、列車だと6時間と言うこと。
 厚床
 昔は標津線を分けるジャンクションで時刻表で見ると駅弁マークも付いていたように記憶している。1980年ごろの時刻表だ。それが標津線が無くなり、根室線も貨物輸送が無くなりで鉄道輸送自体が没落して行って。
 それでも

 窓口あるじゃん、と思ったらこれはバスの案内所。一人だけ係員が居たので空港までの乗車券を買い求めた。係員は奥から乗車券や現金の入っているらしい箱を取り出すと机の上でごそごそ。出てきたのが、

 こんなチケット。値段は手書き。切符が捌ける前に運賃改定が来ても大丈夫、って事なんでしょう。
 バスの時間までは10分少々。

 商店一つ見当たらない駅前にぼけっと。寒さが身に染みるけど朝に比べてばたいした事は無い。向こうの角は国道で時折自家用車やトラックが走ってゆく。
 定刻に数分遅れてバスが姿を現す。

 東京便に接続のバスはさすがに大きな車体。乗客も桁違いに多く。空席に落ち着くとまもなく出発。駅を真っ直ぐ出て根釧台地へ。昨日は真っ暗で様子が分からなかった北の大地、どこまでも続く荒地、荒地、荒地。

 やっぱり毛布が備え付け。激寒時はどれだけ寒くなるものなのか。
 厚床からでも中標津は遠い。廃線になった標津線をトレースする形でバスは走る。暫く走った奥行臼のバス停も元は駅のあったところ。乗り降りは無く先へ更に進む。空は何時の間にか青くなっている。
 1時間近く掛かってようやく中標津の街に差し掛かる。日陰に雪が残っている。昨日の吹雪がそのまま残ったかな。屋根からはぽたぽたと雪解け水。ここでも乗り降りは無かった。中標津の人はバスを待つまでも無く直接空港に行くのかもしれない。