10時半過ぎに仙台駅へ。そろそろUターンラッシュ本番の仙台駅はとても賑やか。お土産の福袋なんてものもコンコースで売っていたりする。
既に快速列車はホームで出発を待っている。20年前の急行型、455系の6連。ヘッドマークまで着けて貰って威風堂々と言った様子。
席に着いた頃にはまだ空席がたくさんあったけど出発時刻が近づくに連れてお客さんが増える。11時2分、定刻に発車。モータの唸りも高らかに本線筋を飛ばしだす。
東北線の在来線に乗るのは何時以来だろう。最近は中々機会が無かった。郡山までなら2年前に会津若松に行った時に乗ったけど、そこから北は、2003年の夏、東北新幹線が八戸に延びる直前に18きっぷで青森から大宮まで乗り通して以来だ。列車は高架になった長町の駅を通過している。何時の間にかヤードも消えてしまった。
昨日に続いて暖かな光が降り注ぐ。暖房も強めに効いていて、コートを脱いでもまだ暑い。車窓に映る景色も暖かく見える。見えているのは枝葉を落とした木々だったりするのだけど。
名取で高架線が分かれてゆく。3月開業の仙台空港線。妄想か何かの世界だとばかり思っていたけど、本当に高架線まで立ち上がっている事に驚く。これが開業したら乗りに来る事になるだろうが、どうやって乗りに行くか。折角の空港アクセス鉄道だし、飛行機と絡めて乗ってみたいもの。
岩沼や槻木、この辺りから快速は丁寧に停まりだした。沿線の日陰に少し雪が残っている。東白石で見えた川に白鳥の群れが。そして、白石を過ぎての県境越え。雪が積もっている様子が一瞬見えた後、福島盆地へと下る時には既に春の装い。
写真:越河の辺り。集落の屋根に雪が残る
写真:峠を一つ越えると、春麗らかな福島盆地
福島では3分乗り換えで郡山ゆきに接続。待っていたのは701系の6連。6両も繋いでいるのに混んでいて、この旅行では初めて席に有りつけなかった。全ての人が郡山まで行く訳でないだろうから、途中で座れるとは思うけれども、車内、大きな荷物を手にした人が目立つ。皆さん同一行程なのかなぁ。
写真:車内混雑。立客多数
二駅走った金谷川で空席に有り付く。大きな荷物を持っている人にも二種類あって、東京土産を持っている人と仙台土産を持っている人。東京土産の人はこれから帰省。恐らく福島まで新幹線で来たのだろう。一駅毎に減ってゆく。一方の仙台土産の人は、恐らくは仙台から同じ行程の人。半分は時刻表を片手にと言う雰囲気だけど半分はごく普通の人で、お土産を見ないと見分けがつかない。
と言う事で、郡山での接続もまた競争になる。今度は4両だ。2両だったら大変だと思っていたけど、増結したのかもしれない。福島からの列車が上野寄りに停まり、黒磯ゆきはどちらかと言うと仙台寄りに偏っていたから前の方が大変な混雑になっている。後ろへ後ろへと歩いてゆくと目に見えて空いてゆき最後尾が空席が目立つ。その一番後ろに腰をすえる。
写真:今度は719系4連
今度はみんな揃って上野を目指しているのでは無いかと思える雰囲気。食べ物を持ち込んでいる人も多く、先ほどがロングシートで飲食に不向きだったせいもあって、出発を待たずに食事を始める人も多い。いい匂いが車内に立ち込める。
13:21、出発。一路南へ走り出す。相変わらず日の光を浴びて、暖かそうな雰囲気が漂う東北線を南下してゆく。みんな上野へ、と言う感じだったけどそれでも地元の人が混じっていて、一駅停まる度に多少の乗り降り。すっかり細くなった阿武隈川が近づいてきて、そして離れてゆく。
歴史を感じる石垣と不釣合いに綺麗な天守閣がそびえる白河を過ぎると東北ともお別れ。栃木県へ。長城のような東北新幹線の線路が寄ってくれば黒磯、また乗換えとなる。各人一斉に走り出す。今度の列車は宇都宮行き、橋を渡って3番線からの発車だ。
黒磯の構内。北側には金太郎がたむろし、南側には桃太郎が集結している。何て書くと何事かさっぱりだけどどちらも機関車の愛称。年末年始で貨物列車が停まっているのでみんな失業中の様子。
写真:黒磯からの宇都宮行き 211系の5連。
今度は橋に近い一番後ろの車両が混雑。先頭の方へと歩いてゆくと1両毎に目に見えて空いてゆく。一番前まで行ったら余裕で座れた。座りたければ人より余計に歩け、と言う事。走るよりはずっと楽。
宇都宮まで40分少々。黒磯を出る時点で概ね満席となっているのでこれから宇都宮に出ようと言う地元の方には気の毒な状況。既に日が翳ってきている。と言うより南にゆくに連れて雲が増えてきたかもしれない。木立のシルエットが流れてゆく。
まもなく宇都宮の案内が流れた。乗り換え案内、「湘南新宿ライン逗子ゆきは15時39分、7番線から」と。これに乗ればあとは横浜直行となる。
宇都宮で駅弁を買う。朝食が遅かったので、今頃が昼食。ビールもお買い上げ。ホームに降りてグリーン券購入。結構並んでいるな。大船までで良いのに熱海をぷちっと押してしまうのは貧乏性の現われか。気が向いたら小田原辺りまで行ってみよう。
さて、グリーン車。いやぁ、混んでいる。恐ろしいまでに。
何とか1席、空席を見つけたけど、発車直前に乗り込んだ人は座るところ、本当に無かったかもしれない。全員が全員、東北線の普通列車に揺られてきた訳ではなかろうが、最後の一区間はグリーン車で、と考えた人も多いのだろう。