茨城交通湊線

 今日もときわ路パスを購入。8:37の高萩行きで出発。これに洋光台発で乗るには始発に乗るか2番列車に乗るかでないと間に合わない筈なので、泊まっただけの価値はあるのかもしれない。勝田までの一駅を揺られる。乗継案内、8:47の阿字ヶ浦ゆきと言ったな。えらいタイミングが良い。待っているのは紺色とクリームのツートンカラーな気動車。昭和30年代にキハ10系列が登場した頃の国鉄標準色だとか。旋回窓が出自を物語るかのようなキハ22タイプ。乗り込んでみると木製の床やら二重窓やらに懐かしさを覚える。
 キハ222
 写真:勝田駅で出発を待つキハ22
 キハ222車内
 写真:キハ22の車内にて。二重窓が出自を物語る
 昨日の鹿島鉄道もそうだったけど、今日もいかにも撮影に来ました風の人たちが目立つ。こちらも鉄の遊園地か。まぁ走らせる側もその辺は心得ているのかな。さて出発。ぶるるんぶるるんとエンジン音も高らかにキハ22は出発する。
 勝田の街中を抜けると田園地帯へ。その田んぼの真ん中にぽつんと駅があって、この辺りは撮影者が目立つ。この列車に乗っている三脚担いだ人たちも降りてゆく。自分も一度は降りようと思っているけど今はパス、先へ歩みを進める。那珂湊では対向列車とすれ違い、向こうは国鉄準急色が再現された気動車。今日はこの2両が行き来するようで、真新しい気動車那珂湊の車庫でお休み中。
 海が見えてくる。平磯と言う駅は海水浴場の最寄なようで、割と立派な駅舎。ホームの有効長も5両か6両停まれるぐらいの長さがある。ただ、最近は列車で海水浴なんて人もいないようで、立派な駅舎は色褪せていたりする。 阿字ヶ浦の一つ手前、磯崎で一度列車を降りた。今乗って来た列車が戻ってくるのを撮影したあと次の列車で阿字ヶ浦に行くことにする。勝田行きがくるまで20分、それから阿字ヶ浦行きが来るまでが20分、時間的にも暇を弄ぶことも無くちょうど良さげだ。少し歩いて畑の中を走るキハ22を写してみた。
 キハ222
 写真:磯崎付近にてキハ222
 40分後の阿字ヶ浦ゆきは結構混んでいる。やっぱり鉄が増えたのと、家族連れなんかもいるけどこちらもわざわざ乗りに来たという雰囲気。車両は先ほど那珂湊ですれ違った準急色。キハ2004とある。
 阿字ヶ浦駅
 写真:阿字ヶ浦駅にて
 一駅走って終点の阿字ヶ浦では大撮影会になる。やっぱり海水浴場への拠点だったよう。広い構内や「無料シャワー」なんて存在がそのころの様子を伝えてくれるけど、広い構内には廃車体が放置され、シャワー室も朽ちている。観光気分で来た人いたならちょっと気分を削ぐ事になるだろうなぁ。でも不思議と普通に観光に来た感じの人もいたりする。
 折り返しの列車で那珂湊へ移動する。今度の列車は地元の人も乗ってきて結構混雑する。この様子だけ見ていると茨城交通には差し迫った危機は無いのかななんて考えるけど、連休の特需かもしれんし。那珂湊では駅員さんに一言断り構内にとどまってみた。車庫に佇む気動車の片方は朱色とクリームの一般気動車色。その向こうではキハ22タイプのクルマがジャッキアップされて台車を抜かれて検査中の様子。キハ20らしい廃車体も放置されている。中線には機関車と貨車。生きているのか死んでいるのか定かではないけど貨車の方には東武の社紋と銘板がついている。
 那珂湊駅構内
 写真:那珂湊駅構内の車庫に佇む気動車
 那珂湊駅構内
 写真:那珂湊駅中線に留置された機関車と貨車 一目見ると貨物列車がいるみたい
 駅の横には通運会社の営業所もあって一昔前の雰囲気。外に出してもらって駅舎を眺めるとこれまた時代掛かった雰囲気。
 40分後の列車で一駅勝田寄りに戻る。再びキハ222。来る時に鉄が大挙して降りていった中根の駅。今度も鉄ばかりが降りてゆく。乗ってゆくのも鉄。子連れ鉄もいるなぁ。取り合えず去ってゆくキハ222を撮影。次の列車は今去って行ったキハ222が勝田までゆき戻ってくるまで間が空く。その間は道端で日向ぼっこ状態。廻りの田んぼはちょうど田植えの季節。あちこちで農家の人が忙しそうに働いている。ところどころ鉄がポツポツと、こちらは列車が来るまでは暇そう。
 キハ222
 写真 田植えの進む中やって来たキハ222
列車が田んぼの中を戻ってくる。10分後、今度は那珂湊から勝田へ向かい準急色のキハ2004が走ってゆく。
 これでまた30分待ち。ぼけっとしていても仕方ないので少し回りを歩いてみた。駅に出ている地図によると少し歩くと集落か何かがあるようなので。木立の中、坂を上ってゆくと確かに集落に出る。ちょっと歩くと幹線道路に出た。どうやら那珂湊と勝田を結ぶ道のようで道路沿いの方が開けている様子。バス停もあって那珂湊ゆきは平日なら40分毎の運転、でも休日は間引きで1時間20分空く。駅へと引き返す。