津軽海峡

 12時半発の函館行きに乗船申し込み。乗船開始までは30分ほどある。何度か来た事のあるフェリーターミナルだけど昼間来るのは初めてだ。売店が開いている。ビールとか結構高いな、500ML\470だって。船内価格と一緒かな。なら船内で買おうか。
青函フェリー あさかぜ
 12時、乗船開始。東日本フェリーの17便はびるご。結構大きい船だ。車両甲板から上へはエスカレータであがる。何気に初めての経験。5月に乗ったシャトルおおいたでも階段を荷物担いで登った訳だし。船自体は空いているが、不思議と窓の少ない2等船室、窓のそばは既に先客がおり、広いけど薄暗い座敷しか空いていない。ここ居るのも難なんで他に場所を探すと展望室というのがあった。デッキの後ろ。やっぱり座敷だけど窓が大きくたくさん合って明るい。電源も使える。ここに居座ることにする。展望室、だんだんと人が増えて出港する頃には30人近くが思い思いに寝転んでいたりする。
 ビールを買ってくる。自販機のビールは500ML、\300。市販価格とさほど変わらない。発泡酒もある。なんか船内価格の方が安いのね。ターミナルビルの売店、ぼったくり過ぎ。船内放送が入った。今日の津軽海峡は荒れるらしい。荒天の津軽海峡、何度かフェリーに乗ったけど今まで一度も経験が無い。さてどんなものやら。
 展望室で過ぎ行く景色を眺めながら、恥辱をまとめだす。12:54 青森市街が霞み、確認出来なくなった。少し揺れだした。13:07、まだ陸奥湾の中の筈だ。揺れに身を任せながらキーボードに向かう。ふと左右を見ると右に津軽半島が、左に下北半島が見えている。平館海峡までやって来たらしい。時刻は13:20、白波が目立つ。ビールが無くなったのを潮にレストランに行ってみる。いつも夜間航行の便にのっているせいか青函航路の船でレストランに入ったことは無い。ラーメンとかカレーとか在り来たりのメニューだけどカレー\500、割と安い。味はまぁまぁと言うか高校の学食で食べたカレーを思い出した。ある習慣を思い出してカレーに七味唐辛子を入れてみる。高校の頃、良くやったんだよね。すっかり忘れてた。
 展望室に戻る。津軽半島が見えなくなっている。下北半島の断崖が見える。仏ヶ浦らしい。時刻は13:55、相変わらず揺れが続く。引き続き恥辱に取り組む。気が付くと下北半島も見えなくなった。14:16、霧に隠れたのか船が津軽海峡に進み出たのかは良く分からない。とりあえず恥辱に疲れたので眠ろうと思う。展望室に居る人たち、申し合わせたように寝入っている。眼を瞑る。揺れが大きくなったようだ。いよいよ船は津軽海峡へと差し掛かったのだろう。記憶が遠くなる。
 ざわめきで眼を覚ます。15:50、防波堤が見える。もう函館港だ。揺れは収まっている。下船案内のアナウンスが流れ出す。歩いて乗船の人はクルマが降りた後という事でロビーでボケっとしていると掃除のおばさんが大挙して乗り込んできた。
 函館は雨だった。フェリーターミナルから少し歩いて国道沿いのバス停へ。函館駅ゆきのバスに乗る。途中、有川跨線橋を通り過ぎるとき、貨物列車がゴトゴト動いているのが見えた。有川自体は連絡船時代に桟橋があったところだって事は知っていたけど、まだ貨物線の機能が生きているとは知らなかった。今度機会があったら眺めてみたいけど今日の雨ではちょっと無理。
 飛行機までは中途半端に時間があるけど雨が降っているしあまり出歩きたくも無い。結局適当な居酒屋で時間を潰す事になる。
 空港に到着。飛行機が遅れている。所定19:40のところ、20:00予定との事。機材自体は19:20過ぎに到着する。