YS-11 伊丹に舞い戻る

YS-11 JA8768@ITM

 目覚めると静けさが辺りを包んでいる。どうやらサービスエリアで休憩中のようだ。三木で1時間半ほど停車しますなんて案内があったっけ。ガラアキで出発したバスは何時の間にかさらりと席が埋まっている。松江でのお客さんが多かったのだろう。バスが動き出した。カーテンを覗くと外は明るい。4時過ぎか。もう一度目を覚ますと間もなく三宮と言う案内だった。時刻は5時過ぎ。若干早着のようだ。三宮の駅に近いどこかで降ろされる。乗客は20人弱ほど。高速バスターミナルらしいけど待合室は閉鎖中。
 駅で洗顔と歯磨き。券売機でスイカにチャージして改札へ。この時間帯、新快速はもちろん、快速も走っておらず普通列車が大阪先着。やれやれと思っていると傍らを梅田行きの阪急電車が走り去ってゆく。そうか、JRに乗る必然性もなかったのだ。阪神電車だってあるし。201系がやって来る。7両編成の電車、座席がさらりと埋まっている。後ろから2両目の弱冷房車を敬遠して最後尾に乗ったらこちらも弱冷房車だった。女性専用車も設定されているようで。普通の車両は4両しかないのか。
尼崎が近づく。お詫びの放送が入る。次いで振替輸送の案内。大阪の手前でももう一度お詫びと振替案内が入る。大阪で乗り換えた時にもお詫び。
 大阪環状線に乗り換え一駅。今日はまず大阪環状線を撮影してみたい。天満で眺める。呆れるほどバラエティ豊かな103系がやって来る。高窓、低窓、ブタ鼻、オレンジにウグイス。USJ塗装も2本。ウグイス色なのに大阪環状線表示。オレンジ色なのに奈良ゆき。京橋へ移動してさらに撮影。極め付けにやってきたのがクハ103-1、トップナンバーがまだ居たんだ。
 8時半ごろに切り上げ、東西線で北新地へと向かう。ホームに降りると尼崎ゆきが過ぎてゆくところ。臨時ダイヤなのだろう。次にやって来たのは西明石ゆき。最後尾の車両は8時台の割には混んでおらず、車内では事故のお詫びと振替の案内と4分遅れていることのお詫びが流される。なるほど回復運転はしないらしい。
 北新地から〒を絡めて阪急梅田まで歩く。今日はこの時間、既に気温が上がっており昨日出雲で着込んだ長袖を脱ぐことになる。阪急梅田から伊丹空港へ。YS-11伊丹フライトの3日目は伊丹で撮影。
 阪急電車豊中へ。実はこれが間違い。千里川に行くなら曽根あたりで下車して歩くほうが近かった。日の向きを眺め午後一番の日の回りを考える。展望デッキからでも撮れそうだなと思う。その方が無難かもしれない。なぜか迷いだす。決断が付かないのは疲れている証拠だ。電車で移動するか、偵察を兼ねて歩くか。悩んでも決断が付かないので、とりあえずたこ焼き。脈絡が無いけどちょうどたこ焼き屋があったから。食べて歩き出す。脚が自然と空港のほうに向かいだす。
 20分ほどで向かい側の伊丹市へと抜ける地下道の入り口まで来た。この周辺では撮影は難しそうだ。改めて日の向きを確認し、13時半の段階で撮影に障害がなさそうな事を確認してターミナルへ向かう。15分ほどで到着。展望デッキに着くと大汗をかいている。流石に暑い。
 南側のデッキで暫く撮影していると、鹿児島であった人にばったり。向こうは関西の人だから地元なんだろうけど、こっちは遠征だからねぇ。驚かせたらしいけど、この人は水曜日まで3日連続で休暇を取っているそうな。こちらから言わせればそっちが驚きなのだけど、まぁ、「目糞鼻糞を笑う」なんだろうな。
 昼の伊丹は意外なほど離着陸が少ない。スポットにもあまり機材が居ない。13時20分に少し遅れてターボプロップサウンドが響いてくる。目の前をYS-11、JA8768がTaixingしてゆき手前側の滑走路を飛び立ってゆく。レンズは450mm相当でドンピシャだね。
 さて、戻りはどうしようかな。日が差すようであれば展望デッキからの撮影は難しく、千里川まで行ってアプローチを撮るのが良い。曇ってくるようなら展望デッキで大人しくしている方が良い。ちょっと悩んで千里川まで歩く事にした。毎回展望デッキでは芸が無い。先ほどの道を戻り、地下道のさらに先へと行くと川に出る。小汚い川だけどこれが名高い千里川。向こうをぐるぐるが降りてくるのが見える。どうもタイミングが悪いなぁ。まぁ離陸機のTaixingは撮れるか。空港沿いに南へと下ってゆくとアプローチの真下に出る。平日なのに結構な人出だ。空は曇ってきており来る必要も無かったけどまぁ良い。
 しばらく着陸機と滑走路端へ出て来る離陸機を撮影する。ぐるぐるがTaixingを始める。向きがおかしい。反対側に向かうようだ。ランウェイチェンジを食らってしもうたorz。ぐるぐるは遥かかなたからこちらへ向かって来て離陸すると急上昇。頭上遥かかなたを飛んでゆく。
 ぐるぐるは仕方ないがYS-11は抑えなくては何をしているのか分からなくなる。時刻は15時。先ほど飛んでいったYS-11が松山を飛び立つところであり、展望デッキまでは引き返す事ができそうだ。慌てて引き返す。大よそ30分で戻る。展望デッキに出てみると再びランウェイチェンジを食らっている。元に戻ったのだ。自分はいったい何をしていたのだろう。がっかりする。もう動こうとは思わない。
 思いっきりコケてしまったけど展望デッキに戻ったおかげでYS-11の着陸と出雲への離陸シーンが撮影できる。千里川に居ては離陸は撮れない。17時過ぎ。ここの中で終了と呟く。出発ロビーに行って機材を預ける。18時半の羽田ゆきでよろしいですねと念を押される。そりゃ、今からなら17時半に十分間に合うしなぁ。
 ラウンジに入って溜め込んでいた恥辱の続きを書く。電源の心配をせずに済むのはうれしい。JAノL塗装のぐるぐるがやって来てこれが18時半の便らしい。JA8979だ。