YS-11 出雲に舞い戻る

JA8768@IZO

 早々と寝てしまったらしい。一度携帯電話で目が覚めてもう一度寝て起きると7時過ぎ。何時間寝たものやらさっぱりである。今日は14時50分の飛行機に乗る、それまでは元京王5000系を眺めていこうかと思っている。時間には余裕があるから慌てて動くわけでもなく、緩々と支度をして9時過ぎにチェックアウト。
 路面電車で郊外線の車庫がある古町に出る。車庫にならぶ5000系。みんな貫通路を向けているのはご愛嬌。多客時3両、閑散時2両だとかで余分な1両が残されているのかもしれない。郊外電車は15分毎にやって来る。路面電車は10分毎にすれ違う。それだけ撮影チャンスがあるわけで忙しいけど楽しい。
 そんな中に珍客登場、坊ちゃん列車。蒸気機関車に似せたディーゼル機関車が客車を引くまがい物だけど実際に目の前で見てみるとこれがなかなか面白そうだったりする。古町で折り返して道後温泉までゆくのだけどどうやって向きを変えるのかと見ていたら、客車を残して機関車のみが車庫に引き込み、どういうからくりだか分からないけど線路上で180度ターン。客車は係員の手に曳かれて車庫に引き上げられた。何か補助動力のようなものは付いているらしい。
 まがい物だと思って特に関心は無かったのだけど、目の前で見ていると無性に乗りたくなる。今度は10:41に道後温泉へと向かう便がある。これに乗ることにしよう。古町→150円と言う郊外線の切符を持っていたけどまぁいいや。出発準備を終えた坊ちゃん列車は10分毎の路面電車の隙の縫って古町のホームに入ってくる。乗客は自分のほかに二人。全部で三人。そんな人数で大丈夫かな?乗る前に切符を購入。折角なので路面電車の1日券とセットになったものを購入。\500、元は取れないかも知れないけど、まぁいいや。
 木製のロングシートにちょこんと腰を掛けるとオープンデッキとの間のドアが閉められた。ゴトゴトゴトと動き出す。暴れだすの方が正しいかな。二輪車だし、乗り心地はたかが知れてる。木枠の小さな窓の外を松山の街が流れる。路面電車なのに通過駅があるのはちょっとだけ不思議な気になる。「汽車」は郊外線と交差すると松山城の堀端を進む。繁華街が流れる。時折デッキの外に居る車掌さんが肉声で観光アナウンスをしてくれるけど良く聞き取れない。単車の刻むリズムがそれ以上に賑やかなもので。汽車は道後温泉に到着。一度引き上げ線へ。そこで向きを変えて、なぜか駅前に延びる引込み線に入って小休止した。
 思いがけず観光地に来てしまった。観光のオフシーズンではあるけれど名高い温泉地の玄関は本当に賑やかだ。何故だか羽織袴のお姉さんが二人。おっさんも明治スタイル。記念写真に引っ張りだこ。背景はさっき走って来た坊ちゃん列車。どうやら列車自体が見世物になっている様子。折角なので一枚撮らせてもらう。しばらく記念写真の背景として活躍した坊ちゃん列車は今度は満員の乗客を乗せて松山市駅へと向かう。
 さて、そろそろ戻ることにして松山市駅ゆきの電車に乗車。低床車が来た。いわゆるリトルダンサーという奴。「小っちゃな踊り子さん」ってどういう意味だろうと思っていたのだけど、ダンサーじゃ無くてダンサなんだよと言われたことがある。つまり「リトル段差」話として出来すぎなので本当なのかどうかは良く分からない。でも実車で見るとほんと「リトル段差」だ。
 松山市駅に来てしまったが松山市からでは先ほど古町で買った切符は使えない。結局何となくうどんの昼食を済ませて路面電車で大手町へ向かう。路面電車と郊外電車の平面交差、ありきたりだけどここでもう一目京王車をと思う。昨日滑走路脇であった人とばったり。メインは鉄だって聞いていたけど、実は仕事で松山に来ているのだとか。
 2度の交換を眺めて空港へ向かう。まずはチェックイン。うっかり乗継ありで予約を取ってしまったためにウェブチェックインが出来ない。仕方ないのでカウンタで座席指定。後方窓側をなんとかゲット。展望デッキに出てみる。基本的に逆光だけど今の季節、太陽がたかいせいか割としっかり日が廻っている。これなら展望デッキからでも撮れそうだ。今日のスポットは昨日よりも賑やかでその主犯は昨日は居なかったJTAB737だ。B737B767、Dash-8-400、A321。そこにSaab340Bもやって来る。
 1機また1機と消えた後にYS-11がやって来る。昨日と同じJA8768だ。例によって降りてきた乗客がカメラの砲列を浴びせかける。あくまで運用の都合で復活運航のつもりはないのだろうけど、昨日といい今日といい立派な搭乗率で、これに味をしめてあちこちで復活運航、なんて事になりそうな気もする。それでも構わないけど、ついてゆけるかな?