大雨

JA8771

 雨音がする。何時だろう。4時。まだまだ早い。眠る。叩きつける様な雨音でもう一度目を覚ます。外は明るくなっている。5時半か。結局今日も雨なのか。う〜ん。何のために鹿児島に来たのか。7時に食事を頂き、出かける。雨がやんでいるけど鹿児島地方、大雨洪水警報が発令。午前中は大雨が予想されていると言う。困ったものだけどなる様にしかならない。まずはターミナルと反対側、JACのバンカーを眺めた後にRWy16と予測して誘導路のそばに張り付く。あまり望遠を使う場所だと霞んでしまう。昨日一緒になった大阪の人もやって来た。嘉例川の駅でクルマを止めて車中泊したそうな。
 8時前、次から次と飛行機がやって来るようになる。MD-81、Saab340B、B767-300、A300-600R。やはり滑走路上だと少し霞むな。8時半過ぎ、今度はプロペラ機がパレード。JA842CにJA845Cが続く。どちらかが屋久島ゆき、もう一方が伊丹ゆき。その後にJA8766が続く。Dash-8-400、すぐそばで聞いていると案外と騒々しい。愛称Q400のQはquietのQらしいけど。機内は確かに静かだけどね。雨が再び降り出した。ついでJA8768が沖永良部へと飛び立ってゆく。朝の出発はこれでお仕舞い。僅か1年前は同じ時間帯に屋久島、種子島奄美大島、沖永良部と4機相次いで飛んでいったのだけど。来年の今頃は、どうなるのだろう。
 大阪の人は雨で撮りようが無いから列車で人吉を往復してみると言い去っていった。自分は今日一日、YS-11の流れを確認して起きたいので空港周辺に張り付いていたい。着陸機を迎えるために滑走路の反対側に移動。暫く待つ。そろそろと言う時間になって雷が鳴り出した。脚立の上でカメラを構える、なんて状況にはない。さすがにクルマの中に逃げ込む。種子島からの戻り便はクルマの中でその姿をかすかに見ただけになってしまう。
 一旦休憩を撮るべく宿の近くにある道の駅へ。急に雨が強くなって来た。道の駅にある町の物産館で昼飯用に弁当を買ってみた。これ、なかなか美味しい。惣菜もあったし夕食用にも買い足しておこう。
 試しにRWy16endへ行ってみたけど外に出て写真を撮ろう、という気にさらさらなれない。暫くクルマの中で離陸してゆく飛行機を眺めてみる。ジェットエンジンの轟音が雨の中に霞んでゆく。
 YS-11だけは抑えたいので誘導路近くの場所に戻る。定刻10:50の与論ゆきはまだ出ていない。いつになるかなと思っているとターボプロップが響いてその姿を現した。雨の中外へ飛び出し撮影。与論ゆき、今日はJA8771。次に福岡ゆきが飛び立つ。こちらは先ほど種子島を往復したJA8766。
 妙に疲れてしまう。折角なので温泉に入りに行こうと思う。次の便は沖永良部ゆき12時半なので1時間ある。判断力が落ちているようで12時20分到着便が頭から削ぎ落ちている。クルマを霧島の方へ転がす。ナビに出てきたラムネ温泉と言うものを志すが現地に温泉らしい建物は無かった。バス停はあるのだから温泉も有りそうなものだけど。とにかく別の温泉を探す。すぐに日の出温泉と言うのが見つかる。入湯料200円だって。安い。タオルを入れても300円。湯船に浸かると生き返る気分だ。窓の外には天降川。川が茶色く濁っている興ざめだけど、天気の良い日に来れば最高の眺めだろう。お湯は多少白い濁りのある。炭酸泉らしい。ラムネの由来かな。
 再び空港へ引き返す。濡れた衣類を着るのがちょっと辛い。クルマのヒータを入れて乾かしてみるけどどうせまた濡れるのだ。ここで沖永良部からの到着便があった事を思い出す。やれやれ疲れているのかなと思う。
 沖永良部への離陸便を撮影した後、RWy34のアプローチを撮りたいなと思い移動してみた。どんな感じかと思っているとターボプロップの音が聞こえた。姿は見えない。雲の中だ。突然姿を現す。YS-11だ。沖永良部からの到着便。30分程遅れていたのだ。すぐに木立の影に隠れる。これでは写真は撮れないな。すごすごと昨日の場所に戻る。
 雨は強くなったり弱くなったり。やむ気配は無い。着陸機も離陸機も水飛沫を派手に立てて行く。種子島行きのYS-11第二便が飛ぶ頃だけど欠航になってしまった。雨は仕方ないけど、肝心のYS-11までが飛ばないのでは泣きっ面に蜂だなぁ。正直悲しい。その代わりではないだろうけど何故かYS-11が着陸。どこからの便だろう。JA8717。昨日は鹿児島にいた機材。今日飛び立つところは確認していない。ずっと張り付いていた訳でないから良く分からない。
 今日は沖永良部への第三便がYS-11に機種変更になっている。でもこれも動き出す気配なし。結局50分遅れの14:50過ぎ、先ほどのJA8717が雨の中と飛び立っていった。定時なら与論からの便が戻ってくる時間だけど出発が30分遅れただけに戻りも遅れている。雨はだいぶ小降りになっており、ポンチョさえ着ていれば何とか外で耐えられる程度。脚立の上で待ち続ける。15:30すぎ、ようやく戻ってきた。
 沖永良部からの戻りを撮影した後、大阪の人が戻ってくる。人吉を往復して日本一の絶景と名乗る矢岳越えの霧島連山を眺めてきたそうだけど、あんまり期待したほどではなかったのだそうな。この天気だし、ねぇ。
 種子島への最終便が飛び立ってゆく。あとは沖永良部からの戻りと種子島からの戻りを待つだけだが、さすがに疲れた。もう今日はやめたい。温泉が頭に浮かぶので先ほどの温泉から南に下った妙見温泉へと行く。折角なので別の道を走る。妙見温泉鄙びた古き良き温泉街と言う感じ。目に付いた日帰り入浴可能な宿を志す。天降川の橋を渡るその先が温泉宿。今度は300円払い温泉へ。廊下とは暖簾一つで区切られただけの脱衣所で裸になり湯に浸かると天降川の流れが見える。その向こうには先ほどの駐車場。向かいの旅館のベランダに家族連れが出ているのも見える。妙に開放的な風呂だなぁ。露出風呂やん。となると壁一枚隔てた隣が気になる訳でクルマに戻ったときに旅館の建屋をもう一度眺めてみる。莚が二重に張られている方が隣なんだろうね。一応配慮はされてるらしい。男湯も駐車場から普通に見る限りでは中の様子までは分からない。夜はどんなものだか知りませんが。
 宿に戻る。町の物産館で買った惣菜で焼酎のお湯割を飲む。惣菜、全体的に甘い目の味付けでちょっと口には合わなかった。弁当が美味しかったので期待したのだけどね。甘いものがご馳走、ってどこだったかな。鹿児島だったかなとふと思い出す。
 さすがに疲れた。明日も早いので寝る事にする。恥辱は30日の分だけ書き切り、今日の分は明日にする。明日は雨がやむといいなぁ。